内容説明
文芸編集者の澤野逸郎は、妻と双子の娘と4人で幸せに暮らしていた。編集長に昇進し幸せの絶頂かと思われたが、いつの間にか編集部には鬱が蔓延し、自身も薬の過剰服用がやめられなくなっていた。部下の豊嶋との不倫も始まり愛欲に溺れる逸郎だが、ひとつの悲劇をきっかけに、すべてが暗転する――。生と死を描き続ける著者の真骨頂!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
H!deking
97
ひっっっさし振りの花村萬月。前半ちょっと色々なことに対する蘊蓄がくどく感じてスピード乗るまで時間がかかりましたが、途中からはグッと惹き込まれてあっという間でした。これは一読の価値有りですね。いやー、これは色々考えさせられる。色々。万人にオススメは出来ませんが、小説家を目指してる人には色々刺さる部分もあるんじゃないかな。花村萬月も多分そういう意図で書いてる部分もあると思います。2020/12/18
terukravitz
4
★☆☆☆☆2020/11/21
オールド・ボリシェビク
2
文芸誌の編集者が睡眠障害をきっかけに薬物依存になり、部下との不倫に落ち込み、さらに家庭にも不幸がふりかかる。暗転の果ての暗転の先で下す主人公の最終決断が読みどころだ。官能小説、ドラッグノベル、ロードノベル、ドライブ小説、さらには小説とは何かを問う小説。盛りだくさんの中身をあっという間に読ませるベテランの力に感服しました。2022/02/18
moonchild
0
えぇー、結局はこんなエンディングなん?と思いつつも、安堵してしまった(笑)。3行ぐらいで済むところを10ページぐらい使ってるようなクドさはあるものの、結局のところ悪くなかった。うん、読んでよかったよ。2023/03/06
ぐぅ〜ちぇ
0
この作品を読むのは大分渋っていた。某ネットショップで、低評価がついていた作品だったからだ。あまり人の評価を間に受けるのは良くないことなので、自分の目で確かめてみることに。読まなかったこととを後悔した。細かく描写された情景。現実と虚構が入り混じった性の描写。タイトルの伏線を回収するまでの話の起伏。どれをとっても素晴らしいの一言だった。個人的にラストシーンが最も好みの分かれる場面だと思うのだが、これもやはり好みの問題か。ぼくはもう少し明確な答えが欲しかった。ゴールテープが突如無くなった気分になった。2021/07/22
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