内容説明
微かな違和感を辿った先に見えた「怪」と「恐怖」!
牛舎の脇に放置された車の下から乳児の腕がぷらんと生えている。
覗く度に数は増えて…(「車の下の腕」より)
元ホスト、薬の売人、デリヘル嬢、テレビ局AD、植木職人、コスプレーヤーにSE…。
人に会うたび、怪を訊く。そこで掴んだか細き糸を手繰り寄せ、闇に沈んだ糸先に在るものに目を凝らす。本書はそうした丹念な作業のもと綴られた実話怪談である。
●栃木の山中の廃墟探検。そこで起きた悪夢の一部始終…「廃村旅行」
●娘が描く父の絵には角が生えている。父には心当たりが…「パパの似顔絵」
●散歩中に見かける牛舎の脇の車。車体の下から漏れる光に誘われ覗き込むと、乳児の腕が…「車の下の腕」
他、公募実話怪談大会「怪談マンスリーコンテスト」で頭角を現した新星が綴る万華鏡の如き全47話!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
231
初読み作家の緒方あきらさんは、怖さはまず普通の正統派でやや地味目ですが落ち着いて楽しめる安定感と大人の渋い魅力があって私は気に入りましたよ。まだまだこれからの人だと思いますので、どんどん取材&量産して頂いて技を磨いて頑張って頂きたいですね。『怨霊』井上さんが小学生の頃に祖父の友人の増宮さんと言う会社の社長さんが家に来て祖父が留守の時に幼い井上さんに「猿の脳味噌はうまいぞぉ!」と社員旅行で訪れた国の小さな町で猿の脳味噌を生きながら頭を割って客に食べさせる話をして怖がらせた。話を聞いた祖父母は彼を追い出した。2021/05/09
さりぃ
20
#手繰り怪談 零れ糸 #緒方あきら KindleUnlimitedで読了。 初作家さん。 『守護霊』『ボロアパートの神様』『廃村旅行』 『年賀状』『向かいのマンション』『二十一時十一分の音』 辺りが好み。 今後に期待。2020/11/30
奈良 楓
17
水商売界隈からインタビューしたという形式の怪談集。どこかで聞いた話もありますが、筆力のある著者だと思います。2023/01/27
雨
15
夜のお仕事に関する人の話が怖かった気がする。2020/12/01
柊よつか
9
怪談マンスリーコンテスト受賞歴を持つ著者の単著デビュー作。シナリオライターという職業柄か文章や構成が上手く、一話一話に引き込まれながら読み通すことができた。薬物や風俗などアンダーグラウンドな世界が特色かと思いきや、ごく一般的な人々の体験談も豊富で、今後の単著が楽しみ。特に印象的な話は、猿の脳味噌を擦り付けられるような「怨霊」、何がトリガーか分からない「事故現場」、生々しく残る生活感と静寂が印象的な「廃村旅行」、人とそうでないものの区別が曖昧になる「鏡の家」、誰とも共有できない記憶「神隠し」など。2020/12/12
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