文学の扉<br> 橋の上の子どもたち

個数:1
紙書籍版価格
¥1,650
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

文学の扉
橋の上の子どもたち

  • ISBN:9784065214428

ファイル: /

内容説明

父親の暴力、それを受けいれる母。そんな家族からから逃れるために、障害を持つ姉とともに家を出た11歳の少女・ヴィジ。ホームレスとして生きのびるため、知恵と友情で道を開いていく。インドを舞台とした喪失と再生の美しさと力強さに、心を揺さぶられずにはいられない。

WNDB(書籍の多様性を求める会)による2020 The Walter Award (青少年部門)受賞!


●著者紹介
パドマ・ヴェンカトラマン
インド、チェンナイ生まれ。若い時からCWC(The Concerned for Working Children)というNPO組織にかかわり、恵まれない子どもたちのために活動している。CWCは2012年、2013年、2014年にノーベル平和賞にノミネートされている。
19歳でアメリカへ渡り大学で海洋学を専攻。作家としてはYA作品を4冊出版しており、そのうち”Climbing the Stairs”(『図書室からはじまる愛』白水社刊)は2009年全米図書館協会「ヤングアダルトのためのベストブックス」に選出されている。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かずー

82
インドで貧しい家庭に育ったヴィジとラク。父親の暴力に我慢できず家を出る。幼い二人で暮らしていけるのか心配になる。ゴミ山から金になりそうなものを拾い生活費を稼ぐ。テレビで見たことがある光景を思い出した。子供たちが幸せに暮らせる世の中になってほしいと思う。2021/07/30

とよぽん

53
子どもの人権は大人が守らなければ! と再確認させられる。一方では、子どものエネルギーのはかりしれない大きさに驚いた。インドでは、階級や貧富の差によって人権を無視されている子が数え切れないほどいる。そして、世の中には悪い大人もいるし、金持ちの身分の高い人が全て高慢で冷淡とは限らない。そんな混沌とした世界で、登場人物の子どもたちが健気に逞しく力を合わせて生きようとする姿・・・あの橋は明日に向かって未来を切り拓く架け橋なのだと思った。いつでも、どこでも、子どもたちが安心して希望に満ちた生活ができる世界に!2021/12/05

がらくたどん

30
出版情報としては小学校中学年からを想定して訳文の言い回しもとても分かりやすく文章量も控えめにしているが内容は思いのほか濃くYA棚でもよいほどの外の世界へ目を向ける一歩にふさわしい良作。年齢や興味によっては、大人から逃げ出して子供だけで暮らすある種の冒険譚とだけ読むかもしれない。でもそうするしかない世界がある事を国際的な社会問題として気づく時が来たら「あの時の」と立ち返れる深みを持つ作品。大人が読むと両親の共依存による暴力で行き場を失う子供たちの居場所の在り方として急に身近な「自分事」として迫ってくる。2021/11/20

わむう

29
父の暴力と、それを受け入れる母から逃れるために知的障害を持つ姉を連れて家を出たヴィジ。働くところを探すが見つからずホームレスになり、ストリートチルドレンたちの力を借り、助け合いながら、いつか教師になることを夢見て日々を暮らしていく。そして姉が高熱を出してしまい教会の人に助けを求める。インドのカースト制度や、児童労働など社会問題をベースに書かれている。2021/06/28

ひさしぶり

25
カーストの国インド。11歳ヴィジと知的障害の姉ラクは父の暴力から逃れる為家出する。カティと名付けた犬と路上生活の少年アルルとムトゥに出会い産廃の山から生活の糧を得る共同生活が始まる。ある事件の後ラクとムトゥが病いにかかり寝込み、薬を買うためカティを金持ちの子に売ることに。〈お祈りの言葉ってこんなにたくさんあって、こんなにたくさんの人が祈っているのに、世の中にはまだまだ悲惨なことや残酷なことがある。〉児童書だからbad end ではないのですが泣けちゃう。報われない子どもがいっぱいいて。2022/06/28

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/16687830
  • ご注意事項