新潮文庫<br> 高校生ワーキングプア―「見えない貧困」の真実―(新潮文庫)

個数:1
紙書籍版価格
¥605
  • 電子書籍
  • Reader

新潮文庫
高校生ワーキングプア―「見えない貧困」の真実―(新潮文庫)

  • ISBN:9784101283838

ファイル: /

内容説明

「弟や妹には、普通の暮らしをさせたいんです」「もう嫌や。金、降ってこーい」スマホを持つ一見普通の高校生が、親に代わって毎日家事をこなす。家計を支えるためにダブルワークをする。進学費用として奨学金という借金を背負う。彼らのSOSはなぜ見過ごされてしまうのか? 働かなければ学べない高校生の声を集め、この国の隠れた貧困層の実態を浮かび上がらせた切実なルポルタージュ。(解説・荻上チキ)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

サンダーバード@永遠の若者協会・怪鳥

105
遊ぶ金ではなく生活費を稼ぐ為にアルバイトをする高校生も増えていると言う。貧困が見えにくくなった現代、昔のように衣食住に事欠くという事はないが、平均的収入の半分以下という貧困層が7人に1人の割合でいる。根本的な解決は非正規雇用の問題と生活保護費よりも低いと言う最低賃金の改正だろう。また、奨学金と言う名の借金もなんとかならないものか。私も育英会の奨学金にお世話になったおかげで大学生活を送れたが、やはり長年の返済は重く感じた。以前は教員などになれば返済免除されたのが、その制度が無くなったのも大きい。★★★★2020/11/27

hrmt

36
帯に書かれた『18歳が大学進学のために885万円の借金をすることはこの国の“普通”だ』が私の目を釘づけにした。奨学金のことだろうと察しはつくが、読んでみて色々なことが胸に渦巻き辛かった。経済的理由で進路を諦める辛さも、家計の余裕無さで子どもに我慢を強いる情けなさも経験したが、子どものバイト代で家計を補わなければならない程ではなかった。そして現代ではそんな厳しさすら見えづらくなっているという。ひとり親の頑張りを目にし、夢を追うことすら自分に許さない子の自己犠牲が当たり前とされる国の未来に光は差さないだろう。2021/07/10

ぐっち

24
うちの子も高2。公立とはいえ結構がかかるし、大学も専門学校も学費が予想以上に高くてびっくりする…。この本はNHK取材班が母子家庭・子だくさんの家庭で頑張る高校生を取材。服や家財道具はもらいもの、家事にバイトにとカツカツに頑張っても、大学進学しようとすると奨学金は入学に間に合わないし、借りられたところで借金が残る…。こういう子たちに公的資金や、お金を出してくれるところがもっとあればよいのにと思う。ちょっと前に炎上した「貧困家庭の子がスマホを持っていて貧困に見えない」に対する反論があってそこはちょっと笑った。2020/11/15

崩紫サロメ

15
原文未読、中国語訳読了。近頃、中国では、日本の社会問題が「30年後の中国」として注目されており、NHKスペシャルの同シリーズ「女性の貧困」「無縁社会」などはベストセラーになっている、既刊は全部読んだ。読者コメントを見ながら読んだが、やはり日本の学生を取り巻く厳しさは、奨学金が事実上の借金となっている点。また、親族間でも「迷惑をかけてはならない」という感覚は中国人には理解しがたいとのこと。2023/08/29

Mark X Japan

9
非正規雇用や片親がこどもの貧困に大きく影響していると思います。昔は,これを避けるために夫婦が不仲でも,子供のために離婚を我慢していたと思うのですが。同一労働同一賃金の実現も期待します。そのための財源案の一つです,公務員などは,明らかに能力が低くて他の人の数分の一の仕事しかできない人でも,年功序列で給料を貰っているので,こういう人の給料や昇給を抑制して,捻出して欲しいです。☆:4.02020/11/09

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/16796263
  • ご注意事項

最近チェックした商品