内容説明
50年以上の時を超えて届いた手紙。そこにはある『約束』が書かれていた。
その『約束』とは何か。。。?
描いていた夢を叶えることができなかった孫と祖父。「叶わなかった夢はどこへ行くんだろう」。
過去と未来のオリンピックを舞台に描かれる希望と再生の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
masa@レビューお休み中
130
東京という街は、寂しい場所なのかもしれない。失業をして、持ち金もなくなってしまった和樹は、愛媛の実家にやむなく帰ることとなる。みかん農家である両親の手伝いをすることもなく、ただ祖父の介護をする和樹。無為に過ごす中で、擦り切れた心は少しずつ回復をしていく。そんなある日のこと。東京でオリンピックが開催されることを知った祖父が和樹に一通の手紙を託すことになる。そこから、止まっていたはずの和樹の時間がまた動き出すようになるのだ。そして、もう一度東京の地に足を向けることになるのだが…。2016/04/01
おかむー
124
ここ数作ちょっと迷走気味かという感触だった中村航ですが、この作品で新しいステージにたどり着いたようですよ。『絶品よくできました』。「あなたは祖父・祖母の青春時代を知っていますか?」。東京での仕事に挫折した主人公・和樹は、逃げ戻った故郷愛媛で祖父が秘蔵していた手紙から1964年の東京オリンピック当時の5人の中学生の消息を探し始める。これまでのどこか懐かしい童心をくすぐる感性は控えめになっているけれど、失った夢の先に始まる新しい物語をそれぞれが見つけ出す再生の旅路が中村航らしいまっすぐな爽やかさで心地よい。2015/10/12
いつでも母さん
107
50年以上前の約束を果たす時、そこには青い青い空がひろがっていたんだなぁ。今、50年後の自分の事は想像も出来ないけれど(笑)次の世代の子達が見上げる空は世界中の青空を集めて澄み渡っている事を願って読了しました。なんて爽やかなオリンピックなのだろう。不覚にもちょっと胸を熱くした。どの世代の方にも読み易い作品だと思った。いろんなことがあって、それは自分だけじゃなくて・・だけど、その時は越えられなくても(叶わなくても)人生って、そんなに悪く無いよね。2015/12/03
みかん🍊
89
1964年と2020年の東京オリンピックが繋ぐ物語、祖父への手紙を元に50年以上前の中学生たちの元を訪れ果たされなかった約束を見つける孫和樹が自身の壁をも乗り越えていく、助走をつけ思い切り跳ぶことによってそこには世界中の青空が広がって見える。爽やかで気持ちのいい作品でした。2015/11/24
mmts(マミタス)
82
図書館から借りたものなので、どんなストーリーなのか分からずに読みました。主人公がどうして引きこもりなのか、なかなか明かされずに、ちょっとモヤモヤしました。しかし、祖父の面倒を看ながら、引きこもりのきっかけになった東京に戻り、そこで沢山の人々と出会ったりして、回復する様子には感動しました。たしかに誰にでも青春はありますからねぇ。正直、あまりオリンピックには興味はありませんでした。すみません。単純かもしれませんが、是非ともこの台詞が聞けるように、すでに楽しみにしてます。この小説に出会えて、本当に良かったです。2016/08/29
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