内容説明
江戸時代から戦後にかけての東京の歴史をめぐり、作家は東京の各所を訪ね歩く。史跡を訪ね、人物に聞き取りをし、古い文献を紐解きながら、現代日本人も知らない東京の姿を〈再発見〉していく。イギリス在住の作家による、都市の記録と記憶をめぐるエッセイ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんい
11
図書館の「本日返却された本」棚から。外国人の東京滞在記だけど、お気に入りの(いまはない)喫茶店あり、時計の話あり、東日本大震災の体験あり。もとの英文も当然うまいのだと思うが、翻訳の方もうまく、するすると読み進められた。2023/02/24
DEE
11
2000年代初めの10年間を日本で暮らした著者。彼女は時を告げる鐘の音に導かれ、それをキーワードに東京がまだ東京でなかった頃の空気を見つけに歩く。 外国人ならではの視点が面白い。相手に必要以上に遠慮しないので表現がストレートだし、そのためかちょっと辛口に聞こえるところもある。そしてストレートな感想を述べているわりには、真意が少しだけぼやけているような不思議な文章。これは自分の感覚的なもので、作品の優劣の話ではない。むしろ面白い本だと思う。2021/05/10
きゅー
7
かつての日本では、時報制度として「時の鐘」というものが存在していた。これは庶民に現在の時刻を知らせるシステムであり、江戸城を中心に9つの鐘が設置され、一刻に一回の報知がされていた。来日して日本語の勉強を続けていた著者アンナは、偶然「時の鐘」の存在を知りそれに魅せられていく。彼女は日比谷、日本橋、浅草、赤坂、目白を赴いては現存する鐘、かつてあった鐘について人々に尋ね、調査する。それは取りも直さず、その鐘が生活に密接に関わっていた時代そのものを切り取る作業であり、今見ている現在に過去を投影する試みでもある。2023/02/02
mike_sugino
6
図書館で借りて読了。2010年代に10年ほど日本で暮らしたアメリカ人女性の時をテーマにしたエッセイ。原題は直訳すると「江戸の梵鐘」で、著者がふと耳にした増上寺の鐘の音に惹かれ、江戸の時の鐘を一つずつ訪ねる展開。現存しない鐘もあったが、全ての梵鐘を訪ね、会った人との会話や、そこまでの道のりを陰影ある文章で語っている。参考文献も多いが、英訳された資料が多く、隔靴搔痒感が否めない。家康を「壊れかけの土城を押し付けられた」と評したが、戦国までは関東では石垣のある城などほとんど無く、北条も上杉も土城で戦ってたのよ。2021/01/20
TI
5
思っていたのと違う。いくら昔といっても江戸時代の話では古すぎる。昭和30―40年台くらいと勝手に思っていたが残念。2023/12/18
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