メディアがつくる現実、メディアをめぐる現実 - ジャーナリズムと社会問題の構築

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メディアがつくる現実、メディアをめぐる現実 - ジャーナリズムと社会問題の構築

  • 著者名:山口仁
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  • 勁草書房(2020/11発売)
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  • ISBN:9784326603084

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内容説明

メディアは社会問題という現実をつくり、社会問題はメディアをめぐる現実をつくりかえる。現代のネット社会であってもそれは変わらない。水俣病事件、ダイオキシン問題、靖国神社参拝問題など様々な社会問題とメディア報道の関係について、社会問題の構築主義の視座を大胆に適用しながら考察し、ジャーナリズム研究に一石を投じる。

目次

はじめに ジャーナリズムを論じるということ

第I部 社会問題とジャーナリズムを分析する視点

第1章 社会問題研究と構築主義的アプローチ
 1 社会問題への「社会学的」アプローチ
 2 社会問題研究における構築主義的アプローチと日本におけるその受容
 3 社会問題の構築主義の社会学的位置づけ
 4 「社会問題の社会学」のための構築主義

第2章 構築主義的社会問題研究とマス・メディア研究――モラル・パニック論を超える試み
 1 社会問題の社会学とマス・メディア研究の接合
 2 マス・メディア研究におけるラベリング論:モラル・パニック論
 3 モラル・パニック論の限界
 4 現実の社会的構築・構成とジャーナリズム

第3章 構築・構成される「ジャーナリズム」
 1 構築主義的アプローチの応用にまつわる問題
 2 社会的世界における意味の構築・構成
 3 マス・コミュニケーション研究における構築主義的アプローチの展開
 4 コミュニケーションの中から構築・構成される「ジャーナリズム」
 5 社会問題の構築・構成過程における二つの現実

第II部 社会問題とジャーナリズムの構築・構成

第4章 公害・環境問題の社会問題化とジャーナリズム――水俣病事件報道
 1 社会問題としての公害・環境問題
 2 公害・環境問題の社会問題化
 3 水俣病事件に関するマス・メディア報道の展開
 4 公害・環境問題の社会問題化とマス・メディア報道規範の再構築
 5 社会問題をとらえる視角の拡大:「第三水俣病事件」をめぐる報道

第5章 不確実性下におけるジャーナリズム――ダイオキシン問題報道
 1 「不確実な環境汚染問題」としてのダイオキシン問題
 2 ダイオキシン問題報道の展開
 3 ダイオキシン問題報道の転換:ダイオキシン問題報道のもう一つの側面
 4 ダイオキシン問題報道に関する現実の構築・構成
 5 ダイオキシン問題に関する二重の現実の構築・構成、および排除

第6章 論評主体から論評対象になるジャーナリズム――マス・メディアの社会問題化
 1 クレイム申し立ての「対象」としてのマス・メディア
 2 カウンター・クレイム(対抗クレイム)と対抗レトリック
 3 事例分析:小泉元首相の靖国神社参拝問題におけるクレイムと対抗クレイム
 4 社会問題化されるマス・メディア報道
 5 補足事例(1):インターネット上で展開する『朝日新聞』批判(世論調査報道を例に)
 6 補足事例(2):「分断」するジャーナリズム批判 朝日新聞「吉田調書問題」

第7章 何が「ジャーナリズム」とみなされるのか?――「信頼されるメディア」という現実の構築・構成
 1 はじめに:「ジャーナリズム」の多様な境界線
 2 コミュニケーションに関する「現実」の構築・構成
 3 「信頼されるコミュニケーション」としての「ジャーナリズム」
 4 現代社会における「ジャーナリズム」と信頼

終章 現代社会におけるジャーナリズム、ジャーナリズム論
 1 「ジャーナリズム」の構築・構成過程の変容
 2 マス・コミュニケーション過程をめぐる現実の構築・構成
 3 能動性を持った「大衆(マス)」とマス・メディア、ジャーナリズム
ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

センケイ (線形)

6
今まさに求められている本ではないか。マスメディアだけでなく、それへの批判もまた現実を作っている。そして事実と異なる「現実を作る」という過ちは、その批判、さらには批判の批判でさえも犯し得る。こうした事態の複雑さを暴く鋭い議論は、下手したら当書自身の首を絞めかねないだろう。しかしその中で可能な限り事態を冷静に見ようとする慎重な書き方がされ、頭が上がらない思いだ。過剰な保身に見えるマスメディアだけでなく、私たち市民の批判の正当さも自明ではないと痛感する。これからのメディアを考える上でとても得るもののある一冊だ。2019/07/28

ヨシツネ

0
構築主義のパースペクティブを基に展開 この視点は役割がある程度絞りやすいが間主観的な個人性を無視してしまう。しかし作者は研究者の一般的な自覚の上で必ず必要ではないという。予防原則の規範性と「信頼できる」メディアを個が持つうえにそれぞれ交流がない点は指摘されていたがダイオキシン問題とニュースステーション問題をサンプルにするのはSNSで発生しているリスクを見やすいのは慧眼と感じる2021/06/10

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