内容説明
近現代の哲学に深く根付いた合理性をめぐる偏見を退け、アリストテレス的な見方を提示するマクダウェルの倫理学。極度に引き締まった文体で、私たちの自明としている考え方を問い直すことを求めるマクダウェルの強靭な議論を、論点を整理しつつ丁寧に読解。その思索の奥行きと豊かさを明らかにする、最良の解説書がついに刊行!
目次
序 章 マクダウェルの輪郭
第一章 「徳と理性」
1 「徳と理性」の課題と、徳倫理学──「徳と理性」第一節、第八節
2 「徳と理性」の議論の展開──第二節~第七節
3 徳は一つである──第二節より
4 「二ずつ足していけ」──第四節より
第二章 「道徳の要請は仮言命法なのか」
1 フット「仮言命法としての道徳」
2 マクダウェルのフットへの挑戦
第三章 「外在的理由はありうるか」
1 ウィリアムズ「内在的理由と外在的理由」
2 マクダウェルのウィリアムズへの挑戦
第四章 「価値と第二性質」
1 マッキーの、価値の反実在論
2 マッキーはなぜ価値の反実在論を取るのか
3 第二性質とは何か
4 価値的性質の存在を否定すれば価値経験は説明できない
5 ではブラックバーンの立場は?
第五章 「倫理学における投射と真理」
1 倫理的言明は真でありうるとする反実在論者、ブラックバーン
2 道徳的言明の真理概念を獲得するにはそれなりの作業が必要である
3 道徳的理由を与えうることを示すという作業
4 マクダウェルによる投射説批判
5 科学的知見と倫理学
第六章 「二種類の自然主義」
1 「問題含みの本性主義」と「有望な本性主義」
2 「問題含みの本性主義」批判
3 科学主義的自然観の批判
4 カントの洞察
5 責任を逃れたいという願望
第七章 「非認知主義と規則順守」
1 非認知主義者は自分が認知と見なすものをどう特徴付けるか
2 価値経験から認知的要素だけを取り出すことはできない
3 規則に従うことについてのウィトゲンシュタインの議論、再び
4 プラトン主義でも非認知主義でもない第三の途
5 非認知主義者に告ぐ
補 論 ブラックバーンの‘fat↓の例をめぐって──マクダウェル流の認知主義の路線に立って
1 ‘fat↓の例によるブラックバーンの論点
2 筆者からブラックバーンへの問いかけ
3 ブラックバーンから筆者への応答
4 筆者からブラックバーンへの再応答
おわりに──マクダウェルの倫理学
注
あとがき
文献表
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