内容説明
台風の大型化、海面上昇、砂漠化の加速……1980年代以降、温暖化は着実に進み、その影響から地球上の誰も逃れられない。温暖化をめぐる哲学的・倫理学的研究である「気候正義」の本邦初の論集。排出量分配の正しさ、未来世代への義務、過去の排出への責任、動物への影響などを学際的に論じる。海外の記念碑的論文の邦訳も掲載。
目次
はしがき
I グローバルな地平
第1章 生計用排出と奢侈的排出[ヘンリー・シュー]
1 序論
2 国際的正義の枠組み
3 包括性対正義
第2章 気候正義の分配原理[宇佐美誠]
1 温室効果ガス排出権の分配的正義
2 過去の排出は権利を基礎づけるか
3 平等分配は望ましいか
4 発展の権利は排出を根拠づけるか
5 基底的ニーズの充足へ
6 気候正義と分配的正義
第3章 部分的遵守状況における義務の範囲──気候変動問題を事例として[佐野亘]
1 はじめに
2 「肩代わり」の義務への批判
3 肩代わりの義務を正当化する議論
4 気候変動問題への示唆
II 世代間の地平
第4章 未来世代に配慮すべきもう一つの理由[森村進]
1 はじめに
2 シェフラーの議論の紹介
3 シェフラーの依存テーゼの実践的含意
第5章 気候変動の正義と排出をめぐる通時的問題──世代間正義を軸として[井上彰]
1 はじめに
2 気候変動の正義をめぐる諸問題
3 契約論に基づく世代間正義──正義に適った貯蓄原理をめぐって
4 現代の平等論に基づく世代間正義論
5 結語
第6章 気候変動の歴史的責任[宇佐美誠・阿部久恵]
1 主題の設定
2 責任概念の解明
3 集合責任か責任継承か
4 受益者負担論
5 結論
III 諸学の内省
第7章 環境の経済哲学序説[後藤玲子]
1 はじめに
2 気候変動問題への経済的アプローチ
3 存在における収束不可能性と行為におけるリーチ可能性
4 連続性の事実の哲学
5 結びに代えて
第8章 気候変動においてカントは動物を考慮するか[瀧川裕英]
1 気候変動と正義
2 カントと動物
3 間接的義務テーゼ
4 カント主義者と動物
5 我汝契約と動物
人名索引
事項索引
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yuno




