気候正義 - 地球温暖化に立ち向かう規範理論

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気候正義 - 地球温暖化に立ち向かう規範理論

  • 著者名:宇佐美誠
  • 価格 ¥3,520(本体¥3,200)
  • 勁草書房(2020/11発売)
  • ポイント 32pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784326102723

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内容説明

台風の大型化、海面上昇、砂漠化の加速……1980年代以降、温暖化は着実に進み、その影響から地球上の誰も逃れられない。温暖化をめぐる哲学的・倫理学的研究である「気候正義」の本邦初の論集。排出量分配の正しさ、未来世代への義務、過去の排出への責任、動物への影響などを学際的に論じる。海外の記念碑的論文の邦訳も掲載。

目次

はしがき

I グローバルな地平

第1章 生計用排出と奢侈的排出[ヘンリー・シュー]
 1 序論
 2 国際的正義の枠組み
 3 包括性対正義

第2章 気候正義の分配原理[宇佐美誠]
 1 温室効果ガス排出権の分配的正義
 2 過去の排出は権利を基礎づけるか
 3 平等分配は望ましいか
 4 発展の権利は排出を根拠づけるか
 5 基底的ニーズの充足へ
 6 気候正義と分配的正義

第3章 部分的遵守状況における義務の範囲──気候変動問題を事例として[佐野亘]
 1 はじめに
 2 「肩代わり」の義務への批判
 3 肩代わりの義務を正当化する議論
 4 気候変動問題への示唆

II 世代間の地平

第4章 未来世代に配慮すべきもう一つの理由[森村進]
 1 はじめに
 2 シェフラーの議論の紹介
 3 シェフラーの依存テーゼの実践的含意

第5章 気候変動の正義と排出をめぐる通時的問題──世代間正義を軸として[井上彰]
 1 はじめに
 2 気候変動の正義をめぐる諸問題
 3 契約論に基づく世代間正義──正義に適った貯蓄原理をめぐって
 4 現代の平等論に基づく世代間正義論
 5 結語

第6章 気候変動の歴史的責任[宇佐美誠・阿部久恵]
 1 主題の設定
 2 責任概念の解明
 3 集合責任か責任継承か
 4 受益者負担論
 5 結論

III 諸学の内省

第7章 環境の経済哲学序説[後藤玲子]
 1 はじめに
 2 気候変動問題への経済的アプローチ
 3 存在における収束不可能性と行為におけるリーチ可能性
 4 連続性の事実の哲学
 5 結びに代えて

第8章 気候変動においてカントは動物を考慮するか[瀧川裕英]
 1 気候変動と正義
 2 カントと動物
 3 間接的義務テーゼ
 4 カント主義者と動物
 5 我汝契約と動物

人名索引
事項索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

yuno

2
限りある排出権の通時的・共時的な分配という気候正義の命題について、複数の著者がカント、ロールズ、パーフィットへの流れで論じる本。生計用の財に関する排出を幅広く認め、奢侈品のそれを制限すべきというい考え方に始まり、部分的にしか義務が順守されない場合の他者の責任のあり方、利己的動機に基づく気候正義、動物の権利等、興味深い論点について検討されているが、気候正義全体の論点を網羅しているようには思えず、あくまで論文集という感じ。特に、功利主義への言及が後藤玲子先生以外全くないことに強い違和感があった。2023/03/23

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