内容説明
「日本人」たることを“証明”する戸籍、戸籍をもたない天皇家――。どちらも「血統」、「家」の存続といった原理に支えられてきた。天皇制と戸籍は、いかなる関係にあるのか? その根底には、何があるのか? 古代に始まり、世界に類を見ない日本独自の制度でありながら、正面から問われることのなかった難問に挑んだ、渾身の書!
目次
序章 天皇家と戸籍へのまなざし
第1章 戸籍なき天皇家
1 天皇家が戸籍をもたない理由
2 天皇家にはなぜ「氏」「姓」がないのか?
3 天皇家の家族法──一般国民との法の壁
4 天皇家の養子──皇統を維持する術策
5 皇居の二つの顔──天皇の「住所」、国民の「本籍」
6 天皇家は「日本国民」か
第2章 「皇統譜」とは何か──天皇家の系譜
1 皇統譜には何が書かれるのか
2 「皇統譜」はいかにつくられたか
3 何をもって「皇統譜」とするか
第3章 「臣籍降下」の歴史──「皇籍」と「臣籍」のあいだ
1 皇族が「臣籍降下」する時──旧皇室典範以降の場合
2 「賜姓降下」のもつ意味──「氏姓」は臣民の証し
3 「皇籍」と「臣籍」の壁──臣籍降下の諸相
4 天皇家の「入夫」と「易姓革命」──女帝反対論の射程
第4章 天皇家の結婚
1 皇族における結婚の不自由
2 天皇の妻妾たち──後宮は権勢の源
3 「婚嫁」か「降嫁」か──皇族女子の宿命
第5章 家の模範としての天皇家
1 「皇室の家父」天皇
2 皇統と「庶子」──「国民道徳の規範」としてのジレンマ
3 家族国家思想と戸籍
4 祭り主としての天皇──戸籍を貫く祖孫一体の信仰
終章 天皇と戸籍のゆくえ──支え合う二つの制度
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akio numazawa
Masataka Sakai
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