集英社新書<br> プロパガンダ戦争 分断される世界とメディア

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集英社新書
プロパガンダ戦争 分断される世界とメディア

  • 著者名:内藤正典【著】
  • 価格 ¥869(本体¥790)
  • 集英社(2020/10発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087211375

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内容説明

迎合か抵抗か? 嫌イスラーム、新型コロナ・パンデミック、紛争、「テロとの戦い」、フェイク報道……。報道の中で展開される宣伝戦と混迷の世界情勢を読む! メディアは報道だけではなく、世界に分断をつくりだす宣伝、すなわちプロパガンダにも使われる。独裁国家や全体主義的な国のメディアは言うまでもなく、欧米、日本の報道でも程度の差はあれ、その社会の権力に都合のよい報道がされることがある。さらに、近年のSNSの普及でこうした宣伝戦は巧妙を極める一方となっている。戦争、難民、移民排斥、嫌イスラーム、大災害やパンデミックによって世界が未曽有の分断の局面にある今、事態をどうとらえるか? そこで重要なのは情報を読み解く力、すなわちメディア・リテラシーだ。宣伝戦を見抜き分断を超える視座を得るため、激動の世界情勢を俎上に、いかに情報に接し、読み取るかを提言する。

目次

はじめに
第一章 世界の分断を俯瞰する
第二章 「テロとの戦い」が世界を分断した
第三章 ヨーロッパの分断、ヨーロッパとの分断
第四章 トルコ・バッシング
第五章 中東世界の独裁者たちとアルジャジーラのメディア戦
第六章 市民のメディアが持つ分断修復の可能性
第七章 パンデミックがもたらす新たな分断
おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

62
題名から戦争とプロパガンダを扱った本かと思いきや、主に中東の現在の政治を扱った一冊であった。これはこれで興味がある分野で面白く読めたが、先に読んだ『イスラームからヨーロッパを見る』と重複する部分が多くそこは買って損をしたと感じる。難民にトルコの立場とかアラブの春、イスラーム国の部分など似たような分析だし。違うのはコロナを扱った所くらいか。あと先に読んだ本同様親トルコの立場で書かれているのでそこに気を付けて読む必要あり。プロパガンダと題した本で、メディアリテラシーを反面教師として学ぶというのもなんだかな。2020/09/25

skunk_c

54
現代イスラーム社会について、日本の他の研究者やジャーナリストとは少し違った視点を持つ著者の、手の内を明かすようなメディア論。著者は自ら認める「トルコ寄り」なのだが、欧米経由の情報が殆どの日本メディアではエルドアン体制下のトルコは「悪者」にされがちと警鐘を鳴らす。この視点が重要だと思った。情報は複眼的に見る必要があるが、著者は常にそれを提供する日本では数少ない人だと思うからだ。鵜呑みにするのではなく検証に値する。アルジャジーラがいかなるメディアかもよく分かった。現代中東情勢を理解するのに読むべき1冊だ。2021/02/11

kan

22
西側メディアだけを情報源としていると国際情勢を読み誤ることと、アルジャジーラが欧米の報道のカウンターパワーだという主張には同意する。しかし、アルジャジーラが「弱い立場の人間に焦点を当て」る報道姿勢と宣伝すること自体がプロパガンダだと思う。私は日常的にアルジャジーラをチェックしているが、中東から見た欧州や地中海情勢、アフリカを知るメディアとして重宝しており、カタール政府や中東視点である点に価値があると思っている。サウジ女性の運転免許やアニメエキスポの報道はMBSによるプロパガンダだったことを見破れず悔しい。2023/03/12

lovemys

14
正義は人によって違う。宗教とか文化とか環境とかで。どれが1番いいとは言えないのだから、譲り合って、認め合って暮らしていきたい。誰かだけ、何処かだけ、その国だけ悪いなんてあり得ないと思う。中庸を求めるのは難しいけど、あり得ないとも思わない。色々な情報を得る大切さを痛感した。BBC,CNNの情報は得ていたけど、これからはアルジャジーラの情報も見てみよう。知ることで損はないと思う。とにかく世界平和を願っています。ガザ地区の惨劇が終わりますように。2023/11/10

makio37

11
自分たちの都合で「難民」と「移民」を使い分ける欧州の報道を問題視。一方で、中東の小国カタールのアルジャジーラには他国を追われたジャーナリストが集まり、抜群のバランス感覚で弱者に焦点を当てた報道をしている、とある。著者の主張全てに賛成というわけではないが、自分の認識はややロシア贔屓に過ぎるかと反省した。また、サウジのカショギ記者殺害事件の理解も進んだし、アルジェリアの「運動」に至っては初耳だった。「〇〇運動」とさえ名乗らない、ただの「運動」。「革命」論に踊らされないための若者たちの知恵だという。2021/02/06

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