岩波文庫<br> ドリアン・グレイの肖像

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岩波文庫
ドリアン・グレイの肖像

  • ISBN:9784003224595

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内容説明

19世紀末,ロンドン.画家のモデルをつとめるドリアンは,若さと美貌を映した自らの肖像画を見て,自分自身はいつまでも若々しく,年をとるのは絵のほうであってほしいと願う――.快楽に耽り悪行に手を染めながらも若さを保ちつづけるドリアンと,かれの魂そのままに次第に恐ろしい醜悪な姿に変貌する肖像画との対比を描く.新訳.

目次

序言
第一章
第二章
第三章
第四章
第五章
第六章
第七章
第八章
第九章
第十章
第十一章
第十二章
第十三章
第十四章
第十五章
第十六章
第十七章
第十八章
第十九章
第二十章
訳注
解説(富士川義之)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

123
この作品については。比較的に若い頃に縮刷版のような感じで読んだのを覚えています。あらすじだけは覚えていたのですが、このようなかなり対話が多い長編小説だとは思ってもみませんでした。当時のイギリス(19世紀)の生活の様子などがわかるような気がしました。富士川さんの訳が非常に読みやすい感じでした。2019/11/01

Gotoran

59
若さを十二分に体現している老けない主人公のドリアン・グレイ、しかし、彼は自分の肖像画を介して老いていく自分を客観視することで苦悩に陥る、自分が罪を重ねる毎に肖像画見ては追い詰められて堕落していくドリアン。ヘンリー・ウォルトン卿の悪魔の誘惑。ドリアンに惹かれる画家ヴァジルの破滅。なんと人間は愚かなことか。…ドリアンの若く、美しさを保つ肉体と醜く、堕落していく魂の対比が象徴的である。オスカー・ワイルドの芸術観、道徳観を垣間見ることができる読み応え十分の作品であった。2020/09/24

yumiha

45
大好きなマロリーシリーズ(キャロル・オコンネル)に2度は登場した本書。ドリアン自身はいつまでも若く魅力的なのだけれど、その代わりに肖像画が老いて醜悪さを増していくのだそう。女性に人気のアンチエイジングか?気になりますがな。〈逆説の王子〉ことヘンリー卿の穿った視線に何度かニヤリとさせていただいた。そのヘンリー卿の本質は「善良」と見抜いていたのは絵描きのバジル。でも若かったドリアンは、まるごと影響されて堕落の道を突き進む。それでも罪の意識から逃れられずに上塗りするがごとく更なる悪行に手を染めるドリアン。2020/07/23

ケイトKATE

42
類まれな美貌を持つドリアン・グレイは、画家バジル・ホールワードの肖像画のモデルとなった。ドリアンの肖像画を見た唯美主義者のヘンリー・ウォットン卿はドリアンに魅せられ悪徳に満ちた美へと導く。純真無垢だったドリアンもずっと美しいままで、絵が年を取ってほしい願望に憑りつかれ、ヘンリー卿の誘惑に乗り転落していく。退廃と耽美が混った小説であるが、悪徳と否定されているものから美を見出していく逆説的な発想は、文学だけでなく様々な芸術に影響を与えている。特に、ヘンリー卿の皮肉を含みながらも説得力のある言葉は象徴的である。2020/10/24

kieth文

23
終始皮肉と逆説的表現で紙面を覆い、沢山の芸術からの引用で博学ぶりを披露して(実際オスカーワイルドは大変博識だったと聞いているけれど)、、、自分の無学を棚に上げさせていただいて、ちょっとヘキヘキした。ドリアンを取り巻く物語はサスペンスっぽくて面白かった。岩波文庫で始めて、途中角川文庫で読み、やはり岩波に戻った。注釈が其々に違って、詳しくて興味深かった。"同性愛を含む個人の意思を尊重する、新しい自由なライフスタイルの追求"p.501 型破りで自信家なオスカーワイルドが争っても争いきれない時代だった。2024/12/14

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