内容説明
新型コロナウイルスの脅威,相次ぐ豪雨災害,首都直下地震の恐怖…….リスク社会化した現代日本において,私たちの日常生活はさまざまな「リスク」「不安」「恐怖」に囲まれている.これらの「不安」とどう向きあっていけばよいのか.科学史・科学論の知見を縦横無尽に駆使しながら,斬新な切り口で考察する.
目次
はしがき
1 感染症のリスク
広がる“COVID─19” 難局をどう乗り切るか
MERS感染拡大 文明が生んだ不意の一撃
はしかの流行とワクチン接種
二六年ぶりに日本に現れた豚コレラ
2 自然災害と地球環境のリスク
御嶽山の突然の噴火
「宙づりの日々」
繰り返す豪雨災,力ずくの治水の限界
地震のリスク 予知より「備え」に智恵を
未来のリスク
新潟県糸魚川・アスクル火災の教訓
ヒアリ騒動を考える
地球温暖化問題はなぜ難しいか
地質学と「チバニアン」
世界の水問題とバーチャル・ウォーター
災害が多発した二〇一八年
遅れた台風一五号の被害の把握
日本列島と自然災害
3 新技術とネットワーク社会
ドローンの功罪
「シェール革命」と中東の緊張
人工知能と囲碁
自動運転車の未来
「もんじゅ」と「豊洲市場」
広がる「ポスト真実」
仮想通貨の理念と課題
情報化がもたらす変化
日本の「イノベーション政策」
「ブロックチェーン」再考
量子コンピューターの可能性
4 市民生活の「安全安心」
食のリスクとメディア
ジャーナリズムと行政
少年犯罪への視線
老朽インフラ劣化の危機
バンコク爆破テロとリスク社会
パリ同時テロの衝撃
「プロのモラル」
相模原障害者施設殺傷事件から考える
映画『シン・ゴジラ』を観て
高齢ドライバーの事故
豊洲市場のベンゼン騒動
現代の「杞憂」
テロの「恐怖」の拡散
相次ぐ品質検査の不祥事
高齢化社会と法医学
裁量労働制の落とし穴
四九日も逃走できた理由は
自己責任論の思想
5 時代の節目を読む
ノーベル賞ラッシュ
過剰なバッシングのメカニズム
「ゆとり世代批判」の貧困
トランプ大統領誕生が意味するもの
新時代の教育改革
「冷戦後」の終わり
ICANのノーベル平和賞受賞と日本
「失われた三〇年」の正体
相対化するテレビの地位
令和フィーバーに思う
加藤典洋氏の「ねじれ」論
研究不正 事実と虚構の壁が溶けたか
「文理融合」の好奇心
ドラマが描く五輪と国家
「安全安心」とリスク
注
あとがき
読書案内
参考文献
感想・レビュー
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榊原 香織
inami
奏市
ラウリスタ~
どら猫さとっち