岩波新書<br> リスクの正体 - 不安の時代を生き抜くために

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岩波新書
リスクの正体 - 不安の時代を生き抜くために

  • 著者名:神里達博
  • 価格 ¥968(本体¥880)
  • 岩波書店(2020/10発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004318361

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内容説明

新型コロナウイルスの脅威,相次ぐ豪雨災害,首都直下地震の恐怖…….リスク社会化した現代日本において,私たちの日常生活はさまざまな「リスク」「不安」「恐怖」に囲まれている.これらの「不安」とどう向きあっていけばよいのか.科学史・科学論の知見を縦横無尽に駆使しながら,斬新な切り口で考察する.

目次

はしがき
1 感染症のリスク
広がる“COVID─19” 難局をどう乗り切るか
MERS感染拡大 文明が生んだ不意の一撃
はしかの流行とワクチン接種
二六年ぶりに日本に現れた豚コレラ
2 自然災害と地球環境のリスク
御嶽山の突然の噴火
「宙づりの日々」
繰り返す豪雨災,力ずくの治水の限界
地震のリスク 予知より「備え」に智恵を
未来のリスク
新潟県糸魚川・アスクル火災の教訓
ヒアリ騒動を考える
地球温暖化問題はなぜ難しいか
地質学と「チバニアン」
世界の水問題とバーチャル・ウォーター
災害が多発した二〇一八年
遅れた台風一五号の被害の把握
日本列島と自然災害
3 新技術とネットワーク社会
ドローンの功罪
「シェール革命」と中東の緊張
人工知能と囲碁
自動運転車の未来
「もんじゅ」と「豊洲市場」
広がる「ポスト真実」
仮想通貨の理念と課題
情報化がもたらす変化
日本の「イノベーション政策」
「ブロックチェーン」再考
量子コンピューターの可能性
4 市民生活の「安全安心」
食のリスクとメディア
ジャーナリズムと行政
少年犯罪への視線
老朽インフラ劣化の危機
バンコク爆破テロとリスク社会
パリ同時テロの衝撃
「プロのモラル」
相模原障害者施設殺傷事件から考える
映画『シン・ゴジラ』を観て
高齢ドライバーの事故
豊洲市場のベンゼン騒動
現代の「杞憂」
テロの「恐怖」の拡散
相次ぐ品質検査の不祥事
高齢化社会と法医学
裁量労働制の落とし穴
四九日も逃走できた理由は
自己責任論の思想
5 時代の節目を読む
ノーベル賞ラッシュ
過剰なバッシングのメカニズム
「ゆとり世代批判」の貧困
トランプ大統領誕生が意味するもの
新時代の教育改革
「冷戦後」の終わり
ICANのノーベル平和賞受賞と日本
「失われた三〇年」の正体
相対化するテレビの地位
令和フィーバーに思う
加藤典洋氏の「ねじれ」論
研究不正 事実と虚構の壁が溶けたか
「文理融合」の好奇心
ドラマが描く五輪と国家
「安全安心」とリスク

あとがき
読書案内
参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

榊原 香織

91
”地殻が元気すぎる島”日本列島、火山や地震など、危険がいっぱい。 活火山の定義が、過去1万年以内に噴火した火山、となったので、多分全部。  あと、世界は中世化している、と、正常化バイヤス(目の前に宇宙人がいても気が付かない、みたいな。異常な事態を目が否定する)が面白かったかな。 2014~2020年2月までのコラムなので、コロナはちらっと触れる程度。 2020/12/24

inami

25
◉読書 ★3 連日、WBCにおける侍ジャパンの活躍が報道される中、3月13日以降マスクの着用は、個人の判断に委ねられた。さて、世界は「新型コロナウイルス」に打ち克ったのか?私たちは常に様々なリスクに取り囲まれて生活している。本書は、朝日新聞に連載されたコラム(2014年〜2020年)がベースとなっていて、感染症、自然災害(豪雨や地震)、それにゲノム編集、自動運転等の新テクノロジーまで幅広く取り上げている・・「リスク」を反対から読めば「クスリ」、災い転じて福となす・・と、していかないとね(自画自賛 笑)2023/03/17

奏市

16
2014年から2020年にかけての新聞連載。災害、事件、新技術などその時々のトピック取り上げ、どう向きあえばいいか等論じたもの。目まぐるしく色んなこと起きている。「真実かどうかよりも、多くの人に承認されることに高い価値が置かれるよう」になってきたり、自己責任論の延長で子供を子供扱いしなくなってきている事は中世化の兆しではとの指摘が興味深い。メディアのもつアジェンダ設定機能は納得。量子コンピュータの箇所で「比喩的にいえば、多重露光した写真のように」とあり、その比喩自体の意味がわからなかったという悲しさ。2022/06/21

ラウリスタ~

9
朝日新聞の連載をまとめたもの。特に面白くはない。2020/07/21

どら猫さとっち

7
COVID-19について触れた文章はそれほど掲載されていないが、社会で起きている事柄や事件について、鋭い分析で読み解いた一冊。朝日新聞で掲載されたコラムなので、さくっと読めることが多いが、そこで考えることがたくさんある。天災、政治、私たちの生活、それぞれにあるリスクをどう向き合うかのヒントが、文章のなかに潜んでいる、今読んでおきたいコラムである。2020/08/30

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