内容説明
動物は詩歌の友だちなのだ。斎藤茂吉の馬、宮沢賢治のこおろぎ、谷川俊太郎のかっぱ……現代の代表的歌人が、詩歌に詠まれた動物を、その生態、行動、歴史とともに、縦横無尽にユーモラスに読み解く。日本エッセイスト・クラブ賞受賞作の105篇の名コラム。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
だいだい(橙)
23
面白いです。めっちゃおすすめ。作者は歌人ですが作者自身の短歌は最後まで一切引用されません。短歌に限らず、俳句や散文詩など、幅広い詩歌を引用しつつ、さまざまな動物にまつわる逸話を見開き二ページのエッセイにまとめています。新聞に連載されていた時にちゃんと読んでいれば良かった、と後悔先に立たずの面白さ。一回分は短いですが読みごたえ十分です。動物好きな人も、そうでない人も、読んでみて~。2021/11/12
you
8
短い時間でも読みやすい本と思って軽い気持ちで読み始めたが、予想を遥かに越える面白さ。動物に関する逸話も格調高く味わい深くて面白い。俳句や短歌も2,3行の簡潔な解説で情景がワッと拡がる。って云うか解説がないとそこまで読みとれる教養ないわ。日本人は昔から自然の生き物を愛でることに長けていると思っていたが、万葉集には蚊は詠まれているのに蝶やトンボを詠んだ句がないと。なぜだ?短歌 は一首でエッセイや短編読む位の奥深さがあるのか。。。2020/11/06
yumicomachi
4
歌人である著者が詩歌の中の動物について生態等にも注目して鑑賞する105のコラム。日本経済新聞の連載を纏めて2011年に刊行され、日本エッセイストクラブ賞受賞。「動物を詠みつつ、そこに出てくるのは千変万化、百鬼夜行の、どうしようもなくて、とても素敵な人間たちであります。そして、エッセイのお手本とはこういうものですよ、と心地よく教えられる」(栗田亘による選評)。2020年10月刊の文庫版巻末エッセイ俵万智。〈癌を病む妻のかたへに書きたりし『うたの動物記』をわが懐かしむ/小池光〉(角川「短歌」2021年1月号)2021/02/15
rikoxyma
2
「子規亡きあと、日本の山に狼はもういず、いまはもっぱら人のささくれだった心の中に棲む」2020/12/15