光文社古典新訳文庫<br> アラバスターの壺/女王の瞳~ルゴーネス幻想短編集~

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光文社古典新訳文庫
アラバスターの壺/女王の瞳~ルゴーネス幻想短編集~

  • 著者名:ルゴーネス/大西亮【訳】
  • 価格 ¥1,166(本体¥1,060)
  • 特価 ¥816(本体¥742)
  • 光文社(2020/10発売)
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  • ISBN:9784334754181

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内容説明

エジプトの墳墓発掘に携わった貴族の死は、現場で〈死の芳香〉を嗅いだせいなのか? 確信が深まるなか同じ芳香を纏う女が現れ……史実を元にした連作の表題作、画期的な装置の発明者の最期を描く「オメガ波」など、科学精神と幻想に満ちた、近代アルゼンチンを代表する作家の傑作18編。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

107
はじめての作家です。南米の作家のようですがあまりそのような感じを受けませんでした。短編がカアなり収められていて私は結構楽しむことができました。数学や物理的な話もあったりします。あるいは考古学的、幻想文学、土俗的な話など幅の広い感じがします。訳もわかりやすく解説もかなり詳細で今後その他の作品も読みたくなりました。2020/04/05

nuit@積読消化中

85
いや〜、ある意味すごい作家さんにまた出会えて本当に嬉しい。こちらは真剣に奇妙な話しを聞いていたつもりが、なぜか意図せず愉快な結末が待っているという(笑)。とくに「不可解な現象」のラストなんかは笑わせるつもりなんだろうか。飲みかけのお茶を吹いてしまった(笑)。また個人的には奇妙な考えに取り憑かれた狂人の末路を描いた「円の発見」もツボ。そして巻末解説にて、著者の呪われた一族のことを知り、ますます興味深い作家である。2020/03/07

HANA

61
20世紀初頭のラテンアメリカの作家による幻想小説集。ラプラタ幻想文学の祖と言われているらしく、後世のラテンアメリカのマジックリアリズムを思わせる作風。ただ作中に当時の最先端科学やオリエンタリズムを取り入れている部分も多く、何となく科学と幻想が分離していない時期、ラテンアメリカの地域性より当時の時代性を感じてしまう所も多かった。どの話も短く突き放されたような印象を受けるけど、面白く読めたのはやはり表題作二編と「オメガ波」等の科学と幻想が分離していない諸編。著者の生涯や一族の因縁を描いた解説も読み応えあり。2020/07/05

sin

61
紳士的な法螺噺、但しその律儀な姿勢ゆえか不可解な出来事に対して科学を擬態した架空理論による無意味な観念の冗長句で煙に撒くのは遺憾ともし難い。その中にあって『アルミータ』のようにフォークロアな伝承譚は見過ごせない魅力的な物語だと感じる。意味論を排した率直な語りに却って真実味を感じとれるから不思議だ。2020/03/23

あさうみ

40
日本でいう百物語的な、暗闇でろうそくを前に語りたい。1つの短編は短くさくさく読めるが、ゾクゾクする寒気が余韻をひく。この先が知りたいのに!と思う話もあるが、あえて切ることで奇妙と不気味な味を出しているのかな。ボルヘスの雰囲気に近いのも納得。新訳とだけあって読みやすさ抜群。2020/02/08

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