内容説明
毎年まるで風物詩のように問題となる季節商品の大量廃棄
終わりの見えない加盟店オーナーの労働
利益が上げると同一チェーンが歩ける距離に出店――
利用する私たちにとっては近くにあると、とてもありがたい存在のコンビニですが、便利さの一方でお店を経営するオーナーたちの中には、親会社からの理不尽な要求に苦しんでいる人が多くいることも事実です。
そんなコンビニ経営の実態を、コンビニの労働問題のパイオニアが徹底調査し、その暗部を炙り出す一冊です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Mark X Japan
10
もっと,大きく取り上げる必要があります。特定のイデオロギーによる大企業批判ではなく,どう考えても,不当な搾取についての告発です。社会インフラになりつつあるコンビニが激減する前に適切な対応が必要です。☆:4.52021/04/25
かずき
8
読みやすい良書です。堅苦しい説明がありません。改めてコンビニ本部は悪だと思ったが、この手の本を近頃読み漁っている身から言えば、やや本部を批判しすぎてる感が共通してる。日本の加盟店約5万店のオーナーは何故この仕事を選んだのでしょう。利点少なすぎますよね。セブンがやはり最も酷いですね。東日本橋店の齋藤夫婦の件など、ヤクザです。ビジネスが不完全なので今後の動向に注目しておきます。筆者は「おわりに」で執筆の関係者へ感謝してみえるが、私も卒業論文の大いなる参考にさせていただいたので、筆者に心から感謝申し上げます。2021/11/20
鴨ねぎ
4
CMでは明るいイメージが好印象、増える空き店舗を不思議に思っていた。本書を読み、コンビニの実態が把握でき、本部とオーナーの関係がwinwinの関係でないこともわかった。 食べられる物を廃棄するコンビニ、たくさんの商品を廃棄してでも陳列するように勧める本部?、商品があれば購買欲が増すとあるけど、本当にそう思う?私はそう思わない、長い時間色の変わらないレタス、旬を感じない野菜不足の弁当、マニュアル化してる店ってあまり好きではない、気軽に話せる人との店が私は好きだ。2021/04/18
CHRONO
4
コンビニのフランチャイズオーナー側に立った筆者が展開する持続可能なコンビニ経営に向けた意見。初めのうち、コンビニ業界の数字を大きく見せるために意味のない比較が多数あり、ちょっと気になる。コンビニ経営の問題点はよくわかった。他のFCに比べて高額なロイヤリティ、値引き禁止で増える食品ロス問題、廃棄すればするほど本部が儲かるコンビニ会計、売れている店舗周辺に集中出店するドミナント戦略、赤字でもやめれない24時間営業、契約延長時の切り捨て。こういった問題も少しずつ皆の知るところとなり、良い方向へ進むことを願う。2021/03/15
Go Extreme
4
成功を売るビジネス・フランチャイズ 共存共栄 オーナーが奴隷化:24時間営業・高額ロイヤルティ・コンビニ会計→廃業ロスは加盟店負担 見切り販売不可:機会ロス・ブランドイメージ維持 7-11:エシカルプロジェクト ドミナント戦略 オーナー:本部に雇われた労働者 2020年報告書:加盟店裁量・支援強化・配分の見直し・対話強化 契約締結前の情報提供義務・誠実な説明義務 ロイヤルティ・ドミナント規制 海外フランチャイズ法:団結権と団体交渉権 誰かの犠牲の上に成り立つ繁栄は長続きせず 幸せな牛ほどよくミルクが取れる2020/11/30