内容説明
証人の見ている前で被害者にコップを手渡した人物が犯人でないとすれば、毒を入れることができた者は誰もいない……。夭折した作家が贈る第一級の異色本格ミステリ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りゃーん
1
本格ミステリとはルールや作法が厳守されるジャンルなので、そうそう異色作というものが出ないハズですが、稀にロジャース「赤い右手」、ストリブリング「カリブ諸島の手がかり」、クイーン「第八の日」など、それこそ異常作が出ることがありますが、繰り返しますが、ロジックとプロットでガチガチに決められてこその本格ミステリなので、これを少しでも超えると、幻想文学だの純文学だのの二流ジャンルに堕ちます。 しかし本作は堕ちず、同時にミステリであることの全ての要素が守られる奇跡のような作品です。 タイピストのマージョリーは吝2016/05/14