内容説明
腰椎の圧迫骨折で入院し、さらに胆のうがんが見つかった。手術を即断し、秘書・モナに付き添われて寂庵に無事帰還したのは92歳のとき。頭に去来したのはなぜか98歳で亡くなった宇野千代さんや、岡本太郎氏とその秘書、そしてこれまで因縁の生じた男たちのことだった。分けても、日本を代表する女性作家となった河野多恵子氏と大庭みな子氏、二人との強固な結びつきは「作家の業」を浮かび上がらせ、死に際の別離はタイトルにふさわしい「生と死の様」を考えさせる。95歳にして最後の長編小説が結実。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kei302
58
回顧録なのか、小説なのか。そんなことはどうでもよい。とても興味深く読んだ。 自分(寂聴さん)が書き残しておきたかった“女流文学者”たちとの思い出やあれこれ。 95歳で書き上げた長編小説。元旦にラジオで、数えで100歳、まだまだ書きますぇ~と、上品に貪欲に語ってらした。 河野多恵子氏と大場みなこ氏との交流を中心に、二人が遺した作品の文学的価値が、井戸端会議ふうに綴られているので読みやすかった。伊藤比呂美さんの解説が読ませる。すばらしい。 2021/01/29
ひまわり*
15
娘が小学生の頃から瀬戸内寂聴さんの本が好きで、数冊所持しているのだけど、いよいよおもしろいから母も読め!と押しに押されて寂聴さん初読み。タイトルの通り、いのちを感じる本でしたが…赤裸々な性的なあれこれが語られていたり女性としての寂聴さんがそこにいました。しかし私は寂聴さん押しにはなれない…。途中流し読みでの読了。高校生になった今でも娘は寂聴さんが好きですし、本は買ってあげたいと思う。2021/06/05
ぷりけ
6
お姑さんが読んだ後にくれた本 2023/11/13
chiro
4
昭和の文壇を感じた。 もはや小説なんだか何だかわからなかったが、長く生き抜いた作家達の生き様が描かれていて面白かった。2024/04/24
華證
4
初めて寂聴さんの本を読んだ。寂聴さんの自伝的小説。おもに河野多恵子さんと大庭みな子さんとの友情と確執が描かれている。彼女たちの極めてプライベートな性癖も暴露されていて、ちょっとどきどきした。文庫本で読んだが、詩人の伊藤比呂美さんの解説がまた面白い。これって小説?と感じる作品で、すらすらと読み進めることができた。出家しても、95歳を超えても、女である寂聴さんに驚愕した次第。2021/01/10
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