内容説明
2009年、ハゲタカと呼ばれた世界的な企業買収者・鷲津政彦は、原子力発電所を建設する民営会社の株を買収に失敗。財・政・官がもつれあう、権力構造の複雑怪奇さを思い知る。その2年後。リベンジを賭け、総本山「首都電力」に買収を仕掛けようとした矢先の2011年3月。東北を未曾有の地震、津波、最悪の原発事故が襲う。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Walhalla
33
ハゲタカシリーズの本編としては5作目となります。スパイラル・ハーディと続いたシリーズ外伝には、鷲津さんがほとんど登場しませんでしたが、今回はきっちり存在感を示しています。やはり、ハゲタカシリーズはこうじゃないと!と思います。さて、今回のターゲットは、原発事故の起きたあの電力会社です。「人災」とも言われるこの事故ですが、その前から、色々な思惑が複雑に入り組んでいたようです。上巻では事故当時の様子を描いた割合が多かったように思いますが、ハゲタカの出番は後半になってからでしょうか、下巻に続きます。2024/09/19
如水
28
ダイブ前に単行本で読んで久しぶりに文庫本で…詳細内容は忘れているな~💦しかし本筋はしっかりと覚えてた👍話の内容はズバリ【東北地方太平洋沖地震(自分は東日本の呼び方が大っ嫌い💢)における電力会社買収の話。「○○を買い叩け!」がモットーなシリーズですが、読み返すとその当時を思い出します…そしてその時の政権も💧『そうだった。他人に厳しく、自分に甘く-。それが、この国のルールだ。』さて、単行本発刊が18年。5年経ってる訳ですが…変わらないよね、日本て。電気代が高騰している今だからこそ読んで欲しい作品かな。2023/09/21
クキモン
13
ハゲタカシリーズ第五弾。東日本大震災で起きた原発事故の現場の描写がドキュメンタリーを見ているような現実味があり、当時日本がどれほどの危機に遭遇していたのか、改めてその怖さを実感しました。旧態依然とした巨大電力会社に鷲津がどう切り込んでいくのか下巻が楽しみです。2020/11/15
おのちん
11
★★★★★:再読。急に読みたくなり手にした。相変わらず面白い一冊だった。2022/05/01
ライアン
11
やっぱりハゲタカ、というか真山作品は面白い。600ページもあるのにすらすら読める。しかし芝野さんを担ぎ出すのはさすがだな。一度痛い目にあった濱尾に対してどう決着をつけるのか、下巻に期待2022/03/06