内容説明
第3回斎藤茂太賞受賞! 選考委員の椎名誠氏に「新しい旅文学の誕生」と絶賛された名作紀行文。
飛行機の空席は残り1席――芸人として多忙を極める著者は、5日間の夏休み、何かに背中を押されるように一人キューバへと旅立った。クラシックカーの排ガス、革命、ヘミングウェイ、青いカリブ海……「日本と逆のシステム」の風景と、そこに生きる人々との交流に心ほぐされた頃、隠された旅の目的が明らかに――落涙必至のベストセラー紀行文。特別書下ろし3編「モンゴル」「アイスランド」「コロナ後の東京」収録。解説・Creepy Nuts DJ松永。
いざキューバへ!
ぼくは今から5日間だけ、
灰色の街と無関係になる。
ロングセラー傑作紀行文
書下ろし新章
モンゴル/アイスランド/コロナ後の東京
俺は誓いました。
あなたのように
生々しく生きていこうと。
(Creepy Nuts DJ松永「解説」より)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
岡本
195
ハードカバーを買っていて文庫本も買ったのは初めて。文庫本化にあたって「モンゴル」「アイスランド」「文庫あとがき」「解説(DJ松永)」の合計100ページ以上の書き下ろしが付いており、ハードカバーを買った人にもオススメ。「キューバ」編を読むのは2回目だが、どんな旅行記や旅番組よりもキューバに行ってみたくなる文章。読む度に定期的な書籍化を望んでしまう。2020/12/03
ゼロ
133
オードリー・若林正恭の旅行記。キューバ、モンゴル、アイスランドの旅行について描かれています。本書は、旅の思い出を語るという役割よりは、「新自由主義とサル山の掟からの脱出」を描いているように感じられました。単行本時は、親父との別れを悲しむ面が強かったのですが、文庫となり、書き下ろしとコロナ後の東京を追加することにより、資本主義の疑問を爆発させているように感じました。日本特有の「世間」と「資本主義」は相容れないものと論じ、大事なものは「血が通った関係と没頭」。メッセージが強くはありますが、読みやすい本でした。2021/02/13
ゆいまある
114
KU。おそらく若林を文筆家として世間に認識させた一冊。お金が稼げるようになった若林は家庭教師を雇い、社会を勉強する(真面目な人である)。格差社会が新自由主義に端を成すことを知り、それなら社会主義国を見てみようと単身キューバに行く。自分と会話しつつ進む若林。余りにコミュ障が過ぎる。人の言葉に傷つき過ぎる。そこが魅力。解説がCreepy Nuts DJ松永。若林に憧れてここまで来たらしい。そうかラップ好きだったよね。人見知りが不器用に呟く言葉が人を救う。世界が不思議に繋がっていて少し優しい気持ちになれた。2024/08/18
ふう
96
テレビの中ではにかんでいる若林さんが、まるで隣にいて話してくれているような旅の本でした。知識や情報だけではわからないもの、そこに行ってそこで暮らす人々とふれあい、そこに吹く風を肌で感じなければわからないものが旅にはあります。そんな旅で、若林さんが自分を見つめ、なぜこの旅に出たのか考え、そして少しだけ探していたものを見つけることができて、わたしもいっしょに旅をし、いっしょに考えることができました。多分それも知識だけの部類に入るのかもしれませんが、旅だけででなく、若林さんの思いにも共感して帰ってきました。2020/11/03
ミュポトワ@猫mode
89
お笑いコンビオードリーのツッコミの方、若林正恭先生のエッセイです。2冊目です。これも見事に俺の心に刺さった。1冊目も刺さったけど、今の社会に生きにくい人には刺さる本だと思う。そして生きにくい社会から逃げることもできないことを感じる。この生きにくさで、自分をどれだけ信じてあげるかが重要なのかなって感じた。今生きにくい人には、この社会に順応しようとか適用しようとかしても、無理よ。生きにくさを認めてあげて、何とか生きてる自分を信じてあげるのが良いのかなって思った。あと、乗馬を始めたので、モンゴルで馬に乗りたい!2024/11/05
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