集英社文芸単行本<br> 泣き娘

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集英社文芸単行本
泣き娘

  • 著者名:小島環【著】
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • 集英社(2020/10発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087717297

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内容説明

舞台は唐代の中国、神都随一と噂される哭女の“泪飛”は葬式に引っ張りだこ。葬儀では涙を絶やすことは許されない。そこで盛大に涙し故人の功績を称え謳うことが家の格を表すため、いい家柄の葬儀では優秀な哭女が雇われるのだ。しかし泪飛にはある重大な秘密があった。それは周旋屋の老婆・右聴と泪飛だけが知る事実――泪飛は少年なのだ。女装姿で哭女を続けなければいけない少年の苦悩と成長、そして年上の貴族青年・青蘭との奇跡のような友情を描く。新時代の旗手が放つ歴史青春ミステリ小説!

目次

胡服麗人
鴛鴦の契
閻羅王
両頭蛇
探花宴
終章

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

けろりん

55
武則天の御代。葬儀で故人を偲んで慟哭する事を職業とする哭女。若干十三歳にして国一番の哭女との呼び声が高い泪飛(本名燕飛)は、両親を相次いで亡くし、幼い弟妹を養うために、一つの事実を隠し、人々が忌避する弔いの仕事を務めている。ある豪商の葬儀に乱入した青年に秘密を知られ、半ば脅されるように彼、青蘭が不審を抱く若き武官の死の真相を探る手伝いをした事から、役人の手先として働く二重生活が始まる。時代小説に探偵バディ物の要素を巧みに絡め、よるべない孤児がたくましく成長する姿が描かれる。惹き込まれ、一気に読了。2021/07/08

annzuhime

50
図書館本。葬儀で遺族の代わりに涙を流す哭女。性別を偽って哭女となった少年のお話。古代中国で面白そうな題材だったんだけど、なんかあと一歩足りない気がした。連作短編なんだけど、どれもあっさりというか、駆け足に描かれてるから勿体無いというか。歴史青春ミステリーらしいけど、歴史も青春もミステリーもどれも足りない気がする。少し期待して読み始めてしまったから残念でした。2021/04/26

rosetta

33
★★★✩☆五つの短編集。これもどちらかと言うと子供向け?武則天の時代、科挙の勉強で家を離れていた燕飛は両親を失い弟妹を養うため男ながらに12歳にして葬式で泣く役を勤める哭女になる。そして神都(洛陽)一番の哭女 泪飛として様々な葬式に出る。そこで知り合った上流階級の男青蘭と親しくなり幾つもの事件の解決に貢献する。やがて青蘭の後押しにより再び世を正すため科挙を目指す。弟妹以外誰も信じられなかった燕飛が青蘭と出会い人との繋がりを覚えるという展開は王道。勿論謎解きの犯人は悪人だが燕飛の周りの人々がみな暖かい。2020/12/17

kosmos

24
家族を養うため、女のふりをして葬式で泣く「哭女」として働く少年の話。ある日の葬儀で出会った貴族の青年との出会いをきっかけに、人の死にまつわる謎を解くようになり、本人にも大きな変化をもたらす。面白かった。2020/12/12

いなばさくら

13
連作風長編青春ミステリ。10世紀ごろの中国が舞台なので、外国の固有名詞を覚えられなくて且つ時代物が苦手なわたしにとっては、非常に相性の悪いジャンルの作品でした。案の定、序盤のページをめくるペースは遅々として進まず。でも第3章あたりからは慣れてきたのかそこそこペースアップし、結果的にはなかなか楽しめる1冊でした。ただBL的な関係がなんか気持ち悪いです。昔こういう職業があることを見たか聞いたかしたような気がするが、実際にもあったんですね。2022/06/02

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