筑摩選書<br> 南方の志士と日本人 インドネシア独立の夢と昭和のナショナリズム

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筑摩選書
南方の志士と日本人 インドネシア独立の夢と昭和のナショナリズム

  • 著者名:林英一【著】
  • 価格 ¥1,485(本体¥1,350)
  • 筑摩書房(2020/10発売)
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  • ISBN:9784480016867

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内容説明

「インドネシア人」初の日本留学生、ウスマンとガウス。二人が来日したのは、一九三〇年代の日本。ナショナリズムが台頭するなか、頭山満らと出会い、大アジア主義を学び、アジア各地からの志士と交流を深めながら、インドネシア独立をひたむきに目指した。日本人女性との恋愛・結婚、特務機関への協力、独立の志士としての活動など波乱に満ちた人生を、国内外でのフィールドワークと膨大な文献から描き出す。「親日」と「反日」の間で揺れ動いた二人の軌跡から浮かび上がってくる昭和秘史。比類なき労作の誕生である。

目次

序章 「インドネシア人」初の日本留学生
「自分の意志で、自費で来ました」
二人の生い立ち
民族意識の覚醒
名古屋丸へ
大インドネシア党
船上で
「亜細亜のヤング・ゼネレーション」
「インドネシア人」初の日本留学生
第一章 帝都へ──大アジア主義との邂逅
日本政府の「アジア回帰」
ベトナム青年の東遊運動
ウスマン、ガウスへの監視
アジア主義者たちとの交流
大亜細亜協会
二人の演説
在日インドネシア留学生会、結成
ハッサンと横森、その出会い
「ジャワのガンジー」、ハッタ
ウスマンの大恋愛
貧民街の視察
第二章 特務機関──日本軍の東南アジア占領
ジャワへの上陸作戦
陸軍中野学校
ジョヨボヨの予言
連合軍への降伏勧告
軍政開始
収容所代表ウスマンと柳川
ウスマンの対日協力
帰郷
スカルノと日本軍
「インドネシア青年道場」とイドリス
第三章 対日協力──スマトラ知識人の場合
パダン宣伝班とウスマン
思惑のズレ
矢野長官
ウスマンの真意
ミナンカバウ社会調査所
インドネシア「独立」問題
スマトラ戦犯
「トラ狩りの殿様」の訪問
ガウスの対日協力
第四章 外国で闘ったインドネシア独立戦争
ウスマン一家、九死に一生を得る
戦時下の言論統制
ウスマンの「抗議」
南方特別留学生たち
「共栄圏の一員として……」
東京から甲府へ
「傀儡」への推挙
武田麟太郎の奔走
小磯声明
「独立」観の相違
スカルノの独立宣言
遠隔地ナショナリズムの高揚
ガウスの独立闘争支援
終章 建国の陰で──国際交流、そして独立のゆくえ
インドネシアと近代サッカー
ア式蹴球の普及
三国対抗親善サッカー大会
「インドトラ」の創立
七年越しで実現した帰国
新聞の創刊、そして死の訪れ
独裁の時代へ
結びに代えて
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Ahmad Todoroki

0
インドネシア独立運動家の中では傍流或いは脇役とされてきたミナンカバウ出身の二人、ウスマンとガウスを取り上げた本。関連書を既読なので、興味深い挿話が沢山出てきてそれなりに面白かったが、全体の構成に難がある。ガウス本人の回想録とウスマンの妻長田周子(露子)の回想録が主なソースだが、その検証が十分とは言い難い。知られざる日イネ間のサッカー交流など、もっと的を絞ってまとめた方が良かったのではないか。注釈が的確であり、林さんの問題意識にも大いに共感できるだけに、総合評価としては少し残念な出来栄えです。2023/06/16

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