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内容説明
人工知能(AI)技術の飛躍的発展により、近年「AIが人間の知能を超える」と言われるようになった。しかし、そもそもAIは本当に役に立つのか? AIと人間の知性の違いはどこにあるのか? 常々「脳」と「意識」について考えてきた解剖学者・養老孟司が、各界のトップランナーと縦横無尽に議論を交わす。 ■AIの発展がめざましい棋界に身を置く棋士・羽生善治 ■経済学者であり、AI技術にも精通する井上智洋 ■著書でテクノロジーと人間のあり方を考察してきた哲学者・岡本裕一朗 ■人工頭脳プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」を進めてきた数学者・新井紀子 4人の叡智との対話から見えてきたのは、AIの限界と可能性。AIはいわば「高級な文房具」、AI化がむしろ「人間本来の暮らし」に戻れる余白を作ってくれる……AIの限界と日本の未来を語り合う、知的興奮に溢れる4つの議論。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Aya Murakami
87
図書館本 岡本裕一郎さんとの対談の話が特に面白かった。 そうですよね、哲学好きって青草よりも好んで枯草食っているイメージですよね(だからこそ世間との折り合いが悪いイメージになってしまうのだろう) 青草が青いという前提を疑うコンピュータ…。なんだかカワイイかもしれません。めんどくさいにはめんどくさいのですが害はなさそうなので。2021/10/21
rigmarole
38
印象度B+。養老氏の棋士、経済学者、哲学者、AI 開発に従事した数学者との対談集で、AIの概念やAIと人間との関係について多面的に論じられています。4つの中で岡本氏との対談に最も興味を持ったのは、やはり私が哲学的思考を好むということなのでしょう。他方、新井氏は理性的に語っているようで、行間に狭量な僻み心のようなネガティブな感情が見え隠れしており、かの『AI vs …』で得た印象がややダウン。全体的に養老氏はAIの弊害を強調するあまり、AIに対する期待が低く、過小評価しているように私には感じられました。2020/12/31
姉勤
33
「〜の壁」シリーズ?の一冊。それらの初見。流行りのChatGPTをはじめ、自動生成画像、監視システムなど、転じて世の中に溢れるAI万能論,脅威論を対談形式でディスカッションしていく。氏の認知は、初期の著作「唯脳論」で唱えた社会の大脳化、世界の都市化からアップデートしてないと感じたが、そのUDという価値観が脳化社会そのものとも思える。所感は、老荘の道士のような達観は否定も肯定も詮なしだと。ウイルスが生物かどうかの議論同様、宿主たる人間なしでAI単独で存在し続けられるか。その前に人間自身が自ずと家畜化しそう。2023/06/25
チャー
22
「壁」のタイトルで有名な著者がAIについての考えを綴った書。四人の著名人との対談という形で記されており、その場の雰囲気も伝わりつつ読みやすい。AIの可否を議論しつつ、社会の変化についても言及しており興味深い。AIはあくまで手段や道具として捉えることが肝要であるという指摘は納得。プログラムの範囲で正確に間違えず稼働することがメリットであるが、前例のない事象や適用外の事象には対応することが難しい。著者が重要視する五感を大切にするという指摘は確かにと思う。人のできることを疎かにせず共生することが成長につながる。2022/07/30
Tenouji
21
どれも面白い対談だった。養老先生は、そもそも論を持ち出して来る天才だね。『リテラシーとは、詰めると「プラトンの政治世界。わかる人がやればいい」』そうなんだろうけど、オードリー・タン氏が言うような、リテラシーではなく、コンピテンス志向の民主主義って考えられないのだろうか?どうバランスとるかが問題なら、わかる/わからない、という対立より、思考/行動という対立によるバランス維持。これって、カウンターカルチャーであるコンピュータ文化のベースにあるものなんだろうけどね…2020/10/30
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