中公文庫<br> 夏の朝の成層圏

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中公文庫
夏の朝の成層圏

  • 著者名:池澤夏樹【著】
  • 価格 ¥649(本体¥590)
  • 中央公論新社(2020/09発売)
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  • ISBN:9784122017122

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内容説明

漂着した南の島で否応もなく始まった孤絶の生活。
文明世界を脱した青年は、自然と一体化する至福を刻々と体感していく――。
この上なく鮮烈な長篇デビュー作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

260
池澤夏樹の小説としての第1作。芥川賞を受賞した「スティル・ライフ」に4年先行する。まず、タイトルが瑞瑞しい。詩人として出発した池澤の面目躍如といったところだ。それは清々しい透明感をを纏いながら、空間を圏外にまで突き抜けていくベクトルの躍動感を合わせ持っている。そして、池澤が「書く」ことの意味を掴んだ瞬間をここに見てとることができる。しかも、それはなんだか一抹の寂しさを伴っているところが池澤らしい。これは池澤にとっての「晩年」でもあるのだろう。これから後の池澤の軌跡が、この地点から遠望できるかのようだ。2015/06/05

chantal(シャンタール)

79
池澤さんの小説デビュー作だがもう完成されてる。船から落水し、無人の環礁の島に漂着した「彼」のサバイバル。その細かい描写に、絶対役立つ日はないと思われるが、ついつい熱心に見入ってしまう。島での原始的な生活に慣れていく様子は文明社会への反発の表れでもあるのだが、実際に文明から離れた暮らしを続けて行くことは難しい。それが成層圏に暮らすような感覚を生む。いつかは帰らねばならない、でも離れがたい。今の私の状態もそれに似ている気がする。それにしても、島の自然の厳しさや美しさ、池澤さんの文章は本当に美しい。2021/02/06

NAO

78
【月イチテーマ 地球・宇宙・自然】夜中に船から落ち、人気のない礁湖の島に住み始めた青年。青年は、船から落ちて、一度は死んだ身をなった。そこから新しく再生するためには、住民たちがいなくなった「死んだ島」で、「生まれたときのままの状態」生活をはじめることによって新しい自分を構築する必要があったのだろう。とても爽やかな、でも、とても深い物語。 2020/09/03

翔亀

51
池澤さんの小説デビュー作。ロビンソン・クルーソーを翻案/模倣/改造した「ロビンソン物語」は1,000を超えるというが、無人島のサバイバルというのは、わくわくするものだ。本書の主人公のヤシも椰子を割ったり、椰子の葉で貯水するなど巧みだ。しかし、クルーソーがいちから経済や社会を築いたのと異なり、生き延びること自体が目的であることに幸福を感じ、現代社会で新聞記者として生きていた自分が仮のものだったと知る。そして日本に帰れるようになっても帰らないのだ。しかし自然回帰・文明批判とも違う。では、何を目指したのか。2015/02/08

えりか

48
無人島に漂流したヤシ(驚く程、淡々とした男)によって綴られる彼の物語。空の、海の、島の、一つ一つがキラキラと輝いていた。無人島生活のことというよりは、人生の進め方についての話のように思われた。誰かに話すことで、文字にすることで、形にすることで自分の辿った人生が限定されてしまう。絶対に全ては伝えられないから、それなら何も言葉にしたくない。でももしかしたら、過去を形にすることでしか、次のステップへ進むことはできないのかもしれない。その時、やっと過去となるのかもしれない。その先は変身と前進が待っている。2016/08/16

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