ナッジ!? - 自由でおせっかいなリバタリアン・パターナリズム

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ナッジ!? - 自由でおせっかいなリバタリアン・パターナリズム

  • 著者名:那須耕介/橋本努
  • 価格 ¥2,750(本体¥2,500)
  • 勁草書房(2020/10発売)
  • ポイント 25pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784326550845

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内容説明

「個人の自由な選択」を妨げることなく、愚行には歯止めを、賢明な行動には支援を? 肥満の解消、婚活のサポート、個人情報の保護、民主政の活性化……。世界の袋小路を切り抜ける仕掛けを示すスマートな戦略の宝庫、いま注目の「ナッジ」と「リバタリアン・パターナリズム」の光と影を、過去・現在・未来にわたって解き明かす。

目次

はじめに

ナッジ!? 強制と放任のあいだで[那須耕介]
 1 「ナッジ」、生まれる
 2 わきあがる不安と不信
 3 この本のもくろみ

第1章 自己決定権は生き残れるか?[若松良樹]
 1 肥満が止まらない
 2 肥満の原因は何か?
 3 どのような規制手法が望ましいか?
 4 問題解決のために
 5 結局、自己決定権は生き残るのか?

第2章 ナッジはどうして嫌われる? ナッジ批判とその乗り越え方[那須耕介]

 1 「婚活」ナッジ?
 2 ナッジの内在道徳
 3 相互ナッジの海へ 
 4 「ナッジとはなにか」から「よいナッジとはなにか」へ

第3章 それでもアーキテクチャは自由への脅威なのか?[成原慧]
 1 アーキテクチャ観の変容:自由への脅威から自由の礎へ 
 2 自由の礎にひそむ自由への脅威
 3 ナッジの法的統制
 4 アーキテクチャと自由の二面性に向きあい続けること

第4章 民主政は可能か? 合理性と「個人」の再設計[大屋雄裕]
 1 私は合理的か?
 2 個人と集団のあいだに
 3 個体から個人へ
 4 我々は合理的か?

第5章 熟議をナッジする?[田村哲樹]
 1 水と油か?
 2 熟議のためのナッジ
 3 熟議のためのナッジは望ましいのか?:疑問と意義
 4 それでもナッジは「危険」か?

第6章 カフェテリアをデザインする あなたは何派?[橋本努]
 1 生活スタイルに埋め込まれているもの
 2 どの指針が望ましいか
 3 成長論的自由主義の立場

第7章 「リバタリアン」とはどういう意味か? リバタリアニズム論の視角からみたリバタリアン・パターナリズム[福原明雄]
 1 リバタリアニズムにとってリバタリアン・パターナリズムとは何か?
 2 リバタリアニズムの正義構想からの視線
 3 リバタリアニズムの自由論からの視線
 4 ナッジにとって自由の要点とは何か?

第8章 自律にはナッジで十分か? パターナリズム論の視角からみたリバタリアン・パターナリズム[瀬戸山晃一]
 1 リバタリアン・パターナリズム登場以前のパターナリズム論
 2 リバタリアン・パターナリズムの登場
 3 強制的パターナリズム論
 4 強制的パターナリズムとパターナリズム規制のアーキテクチャ
 5 パターナリズム論の今後の展望:リバタリアン・パターナリズムを超えて

もっと知りたい人のためのブックガイド

おわりに ナッジ論の初心とこれから[那須耕介・橋本努]

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

獺祭魚の食客@鯨鯢

46
 「ナッジ」とは「肘で突」いて注意を引くという意味。「自己責任」において行動させる行動経済学理論。 コロナによる「自粛」ブームはまさにナッジのオンパレード。これが有効なのは日本人ぐらいかも。  リベラリズトは関与を前提とした公助的な行政を求めるが、リバタリアンは関与を否定するエゴイズム。  パターナリズムは父性原理の厳しさの中に見守る意識。突き放すのではなく自主性を促す。全ての国民に有効なのではなく権威主義的でないと通用しない場合の方が多い。  ギリシャでさえ民主政は腐敗しソクラテスは罪人とされた。  

リョウ

8
人は何でもかんでも合理的に考えて行動できるわけではなく、ある部分は熟慮して考える一方で、大半のことは直感的に物事を考えて決定し、行動している。だからこそ、人々をよりよい(と為政者が考える)方向に誘導すること自体は可能だし、それは許されるのかという議論がつきまとう。この本自体は実践寄りというよりは学術寄りで、哲学や正義論の観点からの論考が多い。2022/05/30

コジターレ

6
流し読みだったが,初めて知った概念について学ぶのは楽しかった。2022/02/16

バーニング

3
ナッジはあさイチでも特集されるほどにポピュラーな概念になったが、実践例も紹介が多く、その思想的な系譜やリベラリズムとの関係、あるいはナッジの陥りがちな弱点や反論については掘り下げられることが少ない。こうしたアイデアの根幹部分を、ナッジの開発者であるサンスティーンやセイラーの議論や主張を振り返りながら、法哲学や政治理論、倫理学などを専門とする8人の研究者が紐といてゆく一冊。経済学者が登場しないナッジ本という意味でも面白かったし、多様な学者がそれぞれに評価と批判をおこなっているところが本書の最大の魅力。2023/02/14

フルカラフル

3
行動経済学から派生した新しいアーキテクチャであるナッジについて、主に法学者の視点から網羅したオムニバス本。正義論の話がガッツリ絡んでくるような内容で、見た目のライトさに反して重みはある。それでもリバタリアニズムからの視点や、はたまかパターナリズムからの視点など、色々な学者がナッジの是非を語るので学びが深い。自由が良いのか強制がいいのか、国家運営に限らず難しい話だよな……。2021/07/27

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