扶桑社BOOKS<br> 日本人に忘れられた ガダルカナル島の近現代史

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日本人に忘れられた ガダルカナル島の近現代史

  • 著者名:内藤陽介
  • 価格 ¥1,760(本体¥1,600)
  • 扶桑社(2020/09発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784594085698

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内容説明

中国の札束外交にソロモン諸島は陥落寸前!
日本軍の撤退後、悲劇の激戦地はいかなる歴史をたどり、中国はどのように浸透していったか。


国家と社会、地域と歴史を理解するためのさまざまな情報を具体的に読み取ることができる、切手や郵便物を資料とした郵便学の手法で歴史を解き明かす!!

ーいまなぜ、ガダルカナルかー
ソロモン諸島、特にその最大の島であるガダルカナル島は、先の大戦の激戦地として知られているが、近年、この太平洋諸国では、台湾と断交し、中国と国交を結ぶ国が増えている。

2019年9月16日、中国は台湾と断交したソロモン諸島と国交を樹立し、外交的に取り込むと、年来の親中国家であるヴァヌアツを起点に<ソロモン諸島→パプアニューギニア→東ティモール>を結ぶ親中国家のリンクを形成することに成功し、事実上のオーストラリア包囲網を構築したにも等しい状況にあるのだ。

ーどのようにして中国が食い込んでいったのかー
日本ではガダルカナルというと、第二次大戦史以降、この島をめぐる歴史的な展開についてはほとんど触れられることがない。歴史用語として凍結保存され、多くの日本人の視界から現在のガダルカナルは 長きにわたって抜け落ちたままになってきた。

「戦後、この地における日本の存在感が希薄であり続けた結果、中国の南太平洋進出、ひいては、そこから日本に圧力をかける地歩を築く土壌を育んでしまった」と著者は指摘する。

本書では、第二次大戦中のガダルカナル攻防戦のみならず、ガダルカナル島を中心としたソロモン諸島の近現代史を通観することで、日本、アメリカ、中国、オーストラリアなど、関係各国の南太平洋の要衝をめぐるこれまでの動きと、未来の構図を明らかにする。


第一章 知られざる英領の島
第二章 餓島の戦い
第三章 想定外だった独立への道
第四章 そして再び、ガダルカナルは最前線になった

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

南北

41
かつての激戦地だったガダルカナルは日本人から忘れ去られていますが、フィジー・ヴァヌアツ・パプアニューギニア・東ティモールが「親中国家」となり、オーストラリア包囲網を形成しつつある今日、注目すべき地域となっています。著者は郵便学の立場から切手や消印などを駆使してガダルカナルを含むソロモン諸島の歴史を解明しています。長年日本を仮想敵国としてきたオーストラリアがインド太平洋構想に参加した理由も見えてきます。慢性的な政治腐敗を続けるこの地域が中国と国交を結び、経済支援を受けている事実は無関心ではいられません。2020/11/18

ようはん

17
ガダルカナルといえば自分も含めて日本人には太平洋戦争時の激戦地という認識しかないと思うけど、この本読むと割とオーストラリアに近く影響力の大きさや大戦前からのオーストラリア視点から見た日本の脅威やガダルカナルの重要性、戦後に諸島諸部族の対立による内戦や近年の台湾断交からの中共進出と様々な情報を知る事が出来た。2021/02/26

田中峰和

7
餓島とも呼ばれ餓死と病死の方が戦死者より多かった激戦のガダルカナル島。日本軍の無計画はさておき、ソロモン諸島におけるイギリス人の搾取と差別はひどすぎた。現地人を奴隷というより家畜のように扱う姿勢は、大戦中同地に進出した米軍兵士が憤り反乱を仕掛けるほど酷かった。島嶼ごとに違う部族や言語があり、統合が難しく独立後も政権は安定しないソロモン諸島。経済や技術援助で台湾に散々世話になっておきながら、中共に寝返る節操のなさは、西側先進国にとって脅威だ。腐敗まみれのソガヴァレ政権は中共の資金援助を受ける売国奴といえる。2020/12/24

宇佐見

3
もう少し近現代に厚みがあったらよかったなぁ。マライタvsガダルカナルの部分はよく理解できた。★★★☆☆2023/12/06

よく読む

2
ガダルカナルがイギリス領として植民地時代の暗い歴史を乗り越え、日本とアメリカの戦地になり、その後は部族間対立で国がおさまらない状況にあり続けてきたことがわかります。引用や出典がないのがちょっと気になるところで、筆者の思い込みと事実の区別がつかない。筆者は切手を通して歴史や文化や国の勢力をみる切手学を提唱しており、切手の写真が多いです。日英同盟はイギリスが日本を警戒して同盟を結んだものだとか、オーストラリアは日本を警戒していたといった指摘はおもしろいです。国際連盟の当時の日本の強さがわかる。2020/12/21

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