講談社学術文庫<br> イスラームの「英雄」 サラディン――十字軍と戦った男

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講談社学術文庫
イスラームの「英雄」 サラディン――十字軍と戦った男

  • 著者名:佐藤次高【著】
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 講談社(2020/09発売)
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  • ISBN:9784062920834

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内容説明

マムルーク朝のバイバルスとともに、イスラーム史上の英雄と称されるアイユーブ朝のサラディン。アラブと十字軍の50年以上にわたる覇権争いに終止符を打ち、十字軍から聖地エルサレムを奪回した「イスラーム世界の英雄」として知られる彼は、同時代のアラビア語史料や伝説に「アラブ騎士道の達人」「慈悲深い高潔な人物」と謳われ、ヨーロッパでも智者、果敢な騎士、寛大な性格の人物と評されました。アラブ側は異教徒と勇敢に戦った英雄として、ヨーロッパ側はアラブ騎士道の体現者として、サラディンを描きつづけています。そのような伝説に彩られた人物の実像とはどのようなものだったのでしょうか。本書は、サラディンが、どのような政治・経済・社会状況にあって、どのように考え、どのように行動したかを明らかにします。さらに、伝説と事実を峻別したうえで、架空の伝説も人々の願望の表れとしてとりあげ、「人間としてのサラディン像」をあざやかに描き出す、「英雄」の実像に迫った本格的伝記です。
〔原本/1996年、講談社選書メチエ〕


【本書の内容】

プロローグ――サラディンの生きた時代

第一章 修行時代
 1 誕生
 2 カリフ権力の衰退と十字軍の侵攻
 3 少年サラディン
 4 ヌール・アッディーンとの出会い
 5 エジプト遠征

第二章 エジプトの若きスルタン
 1 アイユーブ朝の創設
 2 バイナル・カスラインの戦い
 3 サラディンの補佐役たち
 4 イエメン征服の謎
 5 シリアへの進出
 6 新体制の確立

第三章 カイロからエルサレムへ
 1 エジプト経済の繁栄
 2 聖戦(ジハード)へ向けて
 3 エルサレム奪回
 4 アッカーをめぐる攻防
 5 サラディンの死

エピローグ――サラディン以後

目次

プロローグ――サラディンの生きた時代
第一章 修行時代
1 誕生
2 カリフ権力の衰退と十字軍の侵攻
3 少年サラディン
4 ヌール・アッディーンとの出会い
5 エジプト遠征
第二章 エジプトの若きスルタン
1 アイユーブ朝の創設
2 バイナル・カスラインの戦い
3 サラディンの補佐役たち
4 イエメン征服の謎
5 シリアへの進出
6 新体制の確立
第三章 カイロからエルサレムへ
1 エジプト経済の繁栄
2 聖戦(ジハード)へ向けて
3 エルサレム奪回
4 アッカーをめぐる攻防
5 サラディンの死
エピローグ――サラディン以後

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

76
サラディンがクルド人だと言うことに驚く。エルサレム巡礼路確保のために結成された十字軍。それに対するイスラムの先頭にサラディンが立つことで、イスラムの優勢は圧倒的なものとなる。最終的にエルサレムはイスラムの支配下におさまるが、それはサラディンという英雄があってのことだろう。彼は、ダンテの「神曲」で地獄の中で、一番地上に近い場所にいると描かれていた。洗礼を受けていないソクラテスもここにいる。西欧からも認められていた証であろうが、その理由がこの本からは読み取れなかった。自分の歴史についての浅さが原因。。。2014/10/05

出世八五郎

22
かつてマハバード共和国というクルド人国家があった。本書の英雄はそのクルド人サラディン。親子合わせて3回裏切りをしている。それで出世した英雄だが、筋を通さない場面と通す場面がある。これは自分自身の都合の為。こんな人間ばかりだから纏まらずに十字軍にやられるんだと思うのだが、日本の戦国時代のような状態だから仕方ない面もある。しかし、魅力は降伏兵に寛大で矢鱈滅多らに虐殺は全くしない。今のISISの中身はイスラム教徒と違うんじゃないかと疑う。陰謀論で言われる中身白人では?それは置いといて、彼の死後は又纏まらない。2015/11/26

21
イスラムの英雄サラディンの実像に迫った伝記。常勝不敗の武将で悩みなき人生を送ったという勝手なイメージを持っていたけれど、実際は、バグダッドのカリフや旧主一族への対応に苦慮したり、我儘な兄や味方の諸侯に悩まされたりと、なかなかに苦労の多い人生だったようだ。また、何事にも慎重だったというのも、果断のイメージがあっただけに意外だった。サラディンに対する美化や脚色を削ぎ落としても、偉大な英雄という評価は全く変わらない。それどころか人間的な部分が見えてより魅力的に感じた。簡潔、公平な伝記。良書。 2014/06/09

崩紫サロメ

14
再読。十字軍との戦いに注目されがちだが、よく読んでいると、サラディンが勝利の後、どのように統治していったかも示されている。サラディンはファーティマ朝を滅ぼした後、その宮殿図書を売却し、十字軍から接収した施設をマドラサやモスクに変えている。教育・情報の重要性を認識していたと言えるだろう(これはイスラーム世界全体に言えることかもしれないが)2025/07/31

スプリント

12
十字軍と戦った英雄サラディンの生涯について書かれています。十字軍との戦いよりもイスラム内の権力闘争についてページが割かれており勉強になりました。2017/12/16

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