内容説明
母の遺品の小さなメモ帳…。父に赤紙が届いた日から、東京が火の海になるその日までの走り書きのような日記。 その中にはもがくように必死に生き抜く母がいた。 一方、「よくぞご無事で」復員した父は、どこか「以前のオトーサン」ではなく、何かを南の島に忘れてきたようだった。 家族の記憶から新たに取材、調査も加え、ぜったいに書いておかなければならないと、著者がハラをくくって世に問う、新しい「戦争」ドキュメント!桑原氏の個人誌「月あかり」連載の書籍化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ののの
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戦中戦後のある家族の話。お母さんの日記と息子による解説。家族が住んでいた街に学生時代通っていて土地勘があり、あの場所は昔建物疎開されたのか、空襲があそこにもあったのかと想像した。あの時代辛い思いをしていない人なんていなくて、命は奪われなくても心が壊れてしまった人も多い。戦争はどんな理由があったとしても正当化できないと思った。御国のために息子は戦死したとなんとか堪えていた母親が、息子の死因が餓死と知って泣き崩れたというのがとても悲しかった。戦争はそういうものなんだ。2022/08/11
加藤 勤
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ある出版業界の方が絶賛していたので、読んでみたところほんとうにいい本でした。 前半は著者の実母が残した手記、後半は戦争に行っていたオトーサンが戻ってきてからの話である。戦争は終結し、平和な世の中になっているが、オトーサンの中の戦争は終わっていない。感想の全文はhttps://ameblo.jp/bookstama/entry-12717563414.html #戦争 #PTSD 2021/12/25