愛するということ

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愛するということ

  • ISBN:9784314011778
  • NDC分類:141.6

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内容説明

愛は、幸福に生きるための技術であり、学ぶことができる――「愛」という万人に切実なテーマに正面から挑んだ現代の古典。フロム生誕120年を記念して刊行。
読み継がれて60年の世界的ベストセラーに、30年ぶりに訳文に大幅に手を入れた改訳・新装版!

◆各界の方々からのメッセージ

谷川俊太郎
『愛するということ』を、若いころは観念的にしか読んでいなかった。再読してフロムの言葉が大変具体的に胸に響いてくるのに驚いた。読む者の人生経験が深まるにつれて、この本は真価を発揮すると思う。

弘中綾香(テレビ朝日アナウンサー)
寂しい独り者が読むものだと思わないでほしい。家族がいる人や、パートナーと上手くいっている人であっても、本当に自分はその人のことを愛せているか、この本を読んだ後に自問自答してほしい。愛するということを、生まれながらに出来る人なんていないのだから。

池谷裕二(脳研究者・東京大学薬学部教授)
愛について哲学し、愛の技術と理論を学び、そして、愛する練習を繰り返す――。そんな本はほかにはありません。ときに手厳しい言葉も綴られますが、著者が私たち読者のことを愛してくれている証拠です。

岸見一郎(哲学者)
高校生の時に初めて知ったフロムの著作の中で、もっとも大きな影響を受けたのが『愛するということ』である。「愛は技術なのか」。にわかには答えを出せないこの問いをフロムと共に粘り強く考え抜いてほしい。

出口治明(APU(立命館アジア太平洋大学)学長)
愛は幸福に生きるための技術である。学生時代に初めて本書を手にした時の感動が蘇る。愛とは信念の行為であり愛の技術を習練するには知力と努力が必要だ。ステイホームの今こそ、孤独を癒す愛の技術を学んで欲しい。

平野啓一郎(小説家)
確かに、古びてしまった点もある。しかし、それを選り分ける批評的な手作業は、却って深く、読者に、現代の愛を考えさせる。「愛の技術」を説く本ではあるが、文明論でもあり、私たちの困難を理解しつつ、鼓舞してくれる。

ブレイディみかこ(ライター・コラムニスト)
本書の英題は『The Art of Loving』。ARTは芸術のほか、技術、能力などを意味する。この本は「落ちる」感情ではなく、「踏み込む」意志から始まる愛のARTを語っている。その追求こそ、これからの人間と社会の進むべき道だろう。

文学YouTuberベル
「愛なんて、学校で習っていないからわからない!」と冗談をかます私に本気でぶつかってきた一冊だった。読んだ多くの人はこう思うだろう。「自分はまだ本当の愛を知らなかった」と。

森まゆみ(作家)
初読の学生時代、私はカップルの片われで、「愛されること」ばかり考えていた。結婚、出産、育児、離婚、市民運動、更年期障害、老いの自覚を経て再読し、この本が何百倍も広く深い、生きる意味を照らす鏡であると思えてきた。

ミッツ・マングローブ(歌手・タレント)
私のように主体性や自己肯定力の低い者にとって、愛とは、とめどない勘違いと妥協と失望の連続であり、それらを乗り越える気力や相手への情があるかないかを自分に問いただす作業だった。愛というこの世でもっとも面倒くさいアクトを習練し、こなし続けることで、これまで見えなかった自分を知れるかもしれない。

目次

はじめに
第1章 愛は技術か
第2章 愛の理論
1 愛、それは人間の実存の問題にたいする答え
2 親子の愛
3 愛の対象(友愛/母性愛/恋愛/自己愛/神への愛)
第3章 愛と現代西洋社会におけるその崩壊
第4章 愛の習練

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さゆ

174
フロムによる愛とは、理性は矛盾や差異をとらえるに限る(大きい小さいなど)ため、それを越えた合一体験にあるという。そして、愛されるではなく愛するという能動性の信念が、不確定な未来を保証するものとして愛する技術となる。趣味嗜好や少子化で合一体験なるものが遠い現代に、愛はあるか否か。2024/05/06

ジョンノレン

58
かつて学生時代に単位を取るために読んだがすっかり忘却。自己愛は他者への愛と矛盾なく両立するが、利己主義は結局自分も他者も愛せない状態。愛の習練として、規律・集中・忍耐を提唱するが、詰まるところ自分自身を信じて真摯に懸命に生きること。そして逆説的だが自分ひとりの時間や孤独耐性も必要と妙にノウハウ本的アドバイスも。キリスト教的スタンスや神への愛が至高とする部分は戸惑うばかり。たまたま「こころの時代」でやっていた西田幾多郎の"悲しみの底をみつめて"の到達点との質的乖離甚だしい。フロムほっぽって西田読もうっと。2025/03/29

なかしー

47
読んでいてザ・ドイツ人って感じな表現であり、それに伴って訳も硬派な感じ(偏見)例:ドイツ語特有の断定(〜だorである)や義務(〜ねばならない)が多く、言葉の定義がカッチリした言語体系なのかな。そんな生真面目さもあってか?「愛は技術」だという前提のもと知力と努力で習得可能と解くのが本書。読んでみたけど、幼稚や未成熟な愛など様々な習熟度?対象別?に種類があり、実践してステップアップしながら、成熟した愛へと発達する。最初はなんか俗物的思ったが、理論と修練方法はなんとなく知れた。※出来るとは言っていない笑2024/10/27

踊る猫

39
訳者が指摘するように、まだ同性愛が逸脱・異常と見なされていた時期の仕事ゆえの難点は無視できない(あるいは、まともに恋愛できないと本書で指摘されるサディストやマゾヒストに関して「彼らの」声を代弁する作業もまた必要だろう)。だが、それを踏まえてもいまもなお読ませ、考えさせる強度を備えた仕事であると唸る。個人的な経験に属する愛をここまで一般化・普遍化して平たい図式として展開し、そこから現代社会がはらむ異常・病理まであぶり出すその手つきに舌を巻く。そして、そんな時代においてこそ自分の実感に誠実に向き合う必要がある2024/04/21

olive

31
加藤シゲアキがキッカケで読む。はい!想像してた通り...異性間の交際に対してのテクニック本ではありませんでした。その昔、北方謙三先生が恋愛お悩む相談にて、うじうじ悩むな、小僧ども「ソー〇へ行け」と男どものお尻を叩いたのとも違いました。ざっくりいうと、人を愛するためには全力で努力しなければいけない...的なことが書かれた哲学本でした。(←合ってる?)合っているのか不安になるぐらい、一度読んだぐらいでは私のお脳では理解できませんでしたわ。2025/07/26

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