ちくまプリマー新書<br> イスラームから世界を見る

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ちくまプリマー新書
イスラームから世界を見る

  • 著者名:内藤正典【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 筑摩書房(2020/09発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480688859

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内容説明

誤解や偏見とともに語られがちなイスラーム。その本当の姿をイスラーム世界の内側から解き明かす。イスラームの「いま」を知り、「これから」を考えるための一冊。誕生・発展の歴史から、各地で相次ぐ民主化運動の背景まで、知っておきたい基礎知識をしっかり解説。

目次

第1章 誤解されてきたイスラーム
衝突を避けるために
イスラームする人
従うべき規範を神にゆだねる
わからないことは神に丸投げする
世俗主義vs.イスラーム
キリスト教のイスラーム嫌い
正しくイスラームしないムスリム
第2章 イスラームの世界地図
イスラームの誕生の地、アラビア半島
アフリカへ
エネルギーに満ちた分裂と拡大
中央アジアでの栄華
ヨーロッパの隣人となったイスラーム世界
南アジアへ
国で区切ることの意味を問い直す
国境線で区切られた地図からは見えないこと
国境での分断をものともしないタリバン
ソ連崩壊によって地図に登場したイスラーム地域
ずっと、そこにあったイラン
第3章 「アラブの春」とイスラーム
「アラブの春」に何を見るか
エジプトでの民主化運動
多数派のムスリムが弾圧されるシリア
ソ連を人質に取ったシリア
宗派さえも利用する
民衆は何に怒っていたのか
第4章 イスラームと民主主義
イスラームから逸脱していた政治
政教分離は民主化の条件か?
イスラームする人には邪魔な「国民国家」
イスラーム的公正さへの欲求
危険視するだけではわからない
第5章 世俗主義国家からムスリム国家へ──トルコの挑戦
民主化が進展するトルコ
クルド問題に向き合いはじめたイスラーム
低下する軍の権威
世俗主義の崩壊と再イスラーム化の進展
第6章 アメリカは、なぜタリバンに勝てないのか
自分の自由のためには他者の自由を犠牲にする
断固として侵略者を排除するアフガンの魂
パシュトゥン人の仁義とイスラームが合体したタリバン
戦争と血の代償
オバマ政権の理想主義
第7章 ヨーロッパとイスラーム
暴力を厭わないヨーロッパ
不平等下での共存
中東に根付く共存の知恵
中東から見るアルメニア問題
民族主義は当然のものか?
誰を国民とみなすのか?──ヨーロッパにおける厄介なムスリム
共存への理性を失ったヨーロッパ
世俗主義という暴力
おわりに
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パフちゃん@かのん変更

72
無差別に人を殺すテロは勿論、イスラムでも厳禁されている。2011.9.11の同時多発テロ、ビン・ラディン率いるアル・カイダは15億のイスラム教徒の中でも一握りの過激派。それがアメリカの貿易センタービルなど同時多発テロを行ったことで、アメリカは直ちにサウジアラビアのタリバン(ビン・ラディンを匿った)政権を倒し、イラク戦争に突入。アメリカは年間1000億ドルもの戦費を費やした。この事件以来イスラム教徒が敵視されることが多くなった。中東が戦場となり、多くの一般市民が犠牲になった(10万~60万調査により差あり)2015/12/02

よこしま

33
イスラム教を学び始めるに適切な一冊。◆パリでISによる同時多発テロがおき、一昨日にはロシア軍機がトルコ軍に墜落と騒がしくなる中、一からイスラム教を学ぼうと手に取りました。西欧偏向なメディアでは無理があるので。◆結論的から述べると西欧型の世俗主義はイスラムでは無理です。トルコがその典型で苦しんでいます。著者はアフガンにおいてもソ連の侵攻から9.11以降も、イラクやアラブの春となるエジプトやシリアの内情も詳しく。そして暴力的にイスラム圏を襲う欧米への批判も強く。◆この本を基本としISに入っていきたいです。2015/11/26

のの

23
著者のイスラームへの暖かな眼差しが感じられる本でした(ゆえにヨーロッパへの眼差しが手厳しいと感じられる点もある)。歴史のダイナミクスを感じつつ、現在の中東情勢への理解にもつなげることができました。改めて自分の価値観が西欧のそれに大きな影響を受けていることを認識し、アラブの春を民主化の訪れだと単純に喜んでいた自分を恥じました。物事は一面だけで切り取っていたのでは、本質を見誤るなあ…と思ったのでした。『おわりに』のトルコ地震の件にはじんと来てしまいました。なじみの薄い地名が出てくるので地図帳片手がお勧めです。2015/02/23

T2y@

18
生き方も思想も決断も、そのすべてをアッラーに委ねるムスリム。 イスラーム国家とは、法体制がイスラームに沿っているもの。ムスリムが多数を占める国ではない。 …など、イスラーム思想の概念は把握出来たが、理解にはまだ遠い。 また、多様性を認めた事で長期の繁栄を極めた、オスマン帝国の歴史。これらの学びを深めるきっかけになる一冊。 一方で、西ヨーロッパを中心とした欧米キリスト教圏の野蛮さが、相対的に強調されて描かれている処も感ず。2015/04/18

calaf

14
イスラーム世界の内側から世界を見た本。イスラームの人々は、どういう考え方をしているのか、その元になるものは何なのかを詳しく、しかし容易に解説している本。これからの世の中、イスラームの世界との関わりが増えてくるのは間違いないでしょう。なので、彼らのそのベースとなる部分を理解することは必須。という事で、非常に勉強になった気がする...2012/09/18

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