メディア論の地層 - 1970大阪万博から2020東京五輪まで

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メディア論の地層 - 1970大阪万博から2020東京五輪まで

  • 著者名:飯田豊
  • 価格 ¥3,300(本体¥3,000)
  • 勁草書房(2020/10発売)
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  • ISBN:9784326654253

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内容説明

日本で「メディア論」はどのように覚醒したのか。空前絶後の大阪万博をはじめ、その契機となった出来事に焦点をあてる。大学における人文知の伝統のみならず、情報環境のグローバルな変容に鋭敏な芸術家や建築家の創造知、CATVやミニFMなどに魅了された人びとの実践知とも不可分に結びついた、メディア論的思考の地脈を探る。

目次

はじめに

I メディア論の地層

第1章 マクルーハン、環境芸術、大阪万博――一九六〇年代日本の美術評論におけるマクルーハン受容
 1 マクルーハニズムの「第三の軸」
 2 環境芸術、大阪万博との相互連関
 3 「環境芸術論」から「メディア論」へ
 4 祭りのあと

第2章 メディアのなかの考現学――アカデミズムとジャーナリズム、エンターテインメントの狭間で
 1 新しいジャーナリズムとしての考現学――一九二〇年代
 2 マーケティング的考現学の萌芽――一九六〇年代
 3 芸能追跡に併存する民俗学/考現学的視座――一九六〇~七〇年代
 4 考現学ルネッサンス――一九八〇年代
 5 キッチュな考現学へ――一九九〇年代以降

第3章 インターネット前夜――情報化の〈触媒〉としての都市
 1 マスメディアとインターネットのあいだ
 2 雑誌が都市文化を牽引していた一九九〇年代
 3 カラオケボックス――情報化と郊外化の実験室
 4 モバイルな私生活化

II メディア・リテラシー論の地層

第4章 放送文化の民俗学――六輔さすらいの旅、その射程
 1 実験放送という原点
 2 「王道」から「異端」へ――放送史のなかの永六輔
 3 技術と表現のシナジー――『六輔さすらいの旅 遠くへ行きたい』
 4 一望の荒野へ――放送文化の民俗学

第5章 送り手のメディア・リテラシー――二〇〇〇年代の到達点、一〇年代以降の課題と展望
 1 地方局のショッピングモール進出
 2 「送り手のメディア・リテラシー」の到達点
 3 協働型メディア・リテラシーの課題と展望
 4 情動、アーキテクチャ、リテラシー

第6章 ポストテレビ、ハラスメント、リテラシー――地上波テレビとインターネット動画の関係史
 1 地上波テレビとネットテレビの乖離
 2 『めちゃイケ』とBPOとの応酬
 3 テレビとネットの相互作用
 4 ネット動画に溢れかえる「テレビ芸」

III メディア・イベント論の地層

第7章 大阪万博以後――メディア・イベントの現代史に向けて
 1 メディア・イベントの範例と革新
 2 範例的メディア・イベントとしてのタイム・カプセル――松下館
 3 ハプニングとしてのテレビジョン――電気通信館
 4 2025大阪万博へ

第8章 メディア・イベントの可能態――藤幡正樹《Light on the Net》(一九九六年)を解読する
 1 メタ・モニュメント――藤幡正樹『巻き戻された未来』(一九九五年)より
 2 祝祭としてのメディア・イベント――祐川良子「インターネットメディアにおける美術作品の試みと考察」(一九九七年)より
 3 《Light on the Net》の現代的意義

第9章 遍在するスクリーンが媒介する出来事――メディア・イベント研究を補助線に
 1 スクリーンと映像が遍在する二〇二〇年代
 2 メディア・イベントからスクリーン・スタディーズへ
 3 メディア・イベント研究の到達点と課題
 4 スクリーンに媒介された集団の雑種性、複数性をどうやって捉えるか
 5 カッツからタルドへの遡行

IV パブリック・アクセス論の地層

第10章 DIYとしての自主放送――初期CATVの考古学
 1 趣味文化としてのCATV
 2 自作趣味×婦人会活動――郡上八幡テレビ
ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

お抹茶

0
1990年代までは,特定の雑誌の購読や東京で起こっていることを通じて,ある文化の動向を理解しやすい時代だった。2020/04/02

tkm66

0
すんなり読めたが、これまでの先人の研究へのマウンティング、って感は否めないかな。2020/07/02

チャーリイ

0
第5章「送り手のメディア・リテラシー」で民放連プロジェクトの最大の特徴を「番組の読み解きではなく、表現から学ぶことであった。身体を動かし、グループで番組を作ることで読解が深まり、その結果さらに表現が高まる。結果よりも過程を重視した活動であることは言うまでもない」と総括しているのが興味深い。その後、送り手/受け手の区別が曖昧になり、著者は、ワークショップの新たな形を模索しているが、誰もが送り手になり得ることで「身体を動か」すことばかりがちやほやされる現代だからこそ、読解にも着目すべきではないかとは思った。2020/06/22

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