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内容説明
パリの地下鉄、隣の席で化粧を始めた女の姿態に目を奪われたユゴーは、慎みとは無縁な彼女の手に思わず接吻してしまうが……。芳醇な性の悦楽が思わぬ展開を見せる表題作、美少女との甘い邂逅から一気に死の淵へと投げ出される「クラッシュフー」など、シュルレアリスム最後の小説家独自の世界観きわだつ3篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
70
遺作に短編二つを収録した一冊。初期の幻想絵画を眺めているような読み心地は影を潜めているが、それでも全体を貫くモチーフは健在。特に顕著なのは「クラッシュフー」で、前半のエロティシズムから後半の死を含んだ不穏な様相まで性と死は表裏一体であるという著者のテーマが一番表れていると思う。表題作はメトロで出会った女優であり娼婦である女性との道行。前半は舞台劇みたいで退屈だが、後半俄然エロチックで面白くなる。ただ傑作「ポムレー路地」の衝撃には比すべくもないかなあ。とあれ著者は最後まで己のテーマを貫いたのがわかりました。2021/01/04
kazi
32
これは、フランス文学ですね・・。中島らもさんがエッセイでマンディアルグと遺作の「すべては消えゆく」を大絶賛していたのを読んで、私も挑戦してみました。もう出だしから最後まで、耽美、神秘、残虐、エロスって感じ(^^;非常に衒学的。あらゆる場面で「イリアス」などの古典からのイメージの引用がある。マルキ・ド・サドとかもそうだと思うけど、これはフランスの高等遊民だけが書ける文学ですやん・・。要するに、何が言いたいかというと・・、恥ずかしながら無知な私には・・、さっぱりついて行けなかったって事です。以上、レビュ終わり2021/04/11
ラウリスタ~
16
20歳ぐらいなら読めたかも…という感覚。自転車乗りの少女に幅寄せして事故をさせ手当てを口実に犯す短編と、パリの地下鉄で隣に座った女性が衆目の面前で化粧を始めたことに興味を抱き痴漢をするも拒絶されないことから女優?娼婦?なのかと考え芝居じみた演技でことに及ぼうとする中編、どちらも2020年に読む本としては正直きついものがある(1980年代までだとこれは笑えた話なんだろうな)。パリの地下鉄(フランス人の持つ地下世界への恐怖、ファンタスム)ものとしての面白さなどは分かるが。シュルレアリスムを今どう読むか悩ましい2020/12/15
R子
15
「快楽の入口は不意に開き、乱暴に閉じられるーー」(帯文より)まさにそんな3篇。魅せられ打ちのめされた。「クラッシュフー」が1番好き。官能的な甘い空気が次第に死の気配を纏い、予感は確信へ。加速していく車のスピードと相俟って焦燥感で胸が暗くざわめいた。表題作は、夢の中の景色を眺める気持ちで読んだ。娼婦ミリアムは、自らの役を演じる女優になることで、主人公の男を操り支配する。運命と陶酔と恐怖とデジャヴに揺さぶられとても遠い場所まで放り出された。2024/11/27
ふみふみ
10
「クラッシュフー」は晴れた森の街道が舞台の短編で車とエロスと死がモチーフ。読後感はシュールと言うか白昼夢のよう。表題作は地下鉄から始まる男と女の寸劇ですがペダンチック過ぎて嫌気が差し途中から斜め読み。フランス映画&小説あるあるですかね。2020/08/28
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