創元推理文庫<br> 時間旅行者のキャンディボックス

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創元推理文庫
時間旅行者のキャンディボックス

  • 著者名:ケイト・マスカレナス【著】/茂木健【訳】
  • 価格 ¥1,400(本体¥1,273)
  • 東京創元社(2020/09発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 360pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784488786014

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内容説明

1967年のイギリスで、4人の女性科学者がタイムマシンの開発に成功し、300年先の未来までの時間旅行が実現した。そして、時間移動を厳格に管理すべく、国家からも独立した〈コンクレーヴ〉と呼ばれる巨大なタイムマシン運用組織が誕生した。時間旅行を独占するのはもちろん、タイムトラベラーが起こした犯罪も、この組織が独自に対処する。だが、タイムトラベルには精神に及ぼす深刻な副作用があった。ある殺人事件に遭遇した女性オデットが〈コンクレーヴ〉に潜入し、事件の調査を進めるうちに、その恐るべき事実が明るみに……異色の時間SF!/解説=堺三保

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

buchipanda3

110
タイムトラベルSF。ちょっと視点が変わっていて、時間を自由に行き来できるようになったら人間はどんな心理を持つのか、という観点を掘り下げた実験観察日記のような小説で、興味を刺激するエンタメに仕上がっていて好みの作品で面白かった。特異な密室ミステリも盛り込まれている。主要人物はみな女性で柔らかいタッチの文章にユーモアがまぶされ読み易い。中でもバーバラおばあさんが魅力的だった。読んでいて一番に感じたのは普遍的概念が反転した時に人が見せる俗っぽさがリアルでゾワッとしたこと。あとタイムトラベラー語彙辞典がいいね。2020/09/15

スカラベ

59
1960年代に4人の女性科学者がタイムマシンを発明した世界を舞台にした心理学時間SF。ある謎の死体を巡りこれを紐解くSFミステリーと言った要素もあるが、この小説で焦点となるのはタイムトラベラーとなった者たちの精神面に対する洞察といった一風変わった視点。過去から未来へと一方通行で流れる時空間の既成概念を飛び越えた先で出会うのは、『老いぼれ』が同時に何人も集まり自身の死を見送る場面だったり、『古物喰い』だったり『自分選び』だったりする。死に対する感覚が麻痺しゲームとして扱うようになるのも宿命なのかもしれない。2021/01/10

いちろく

40
1967年にタイムマシンが発明されて、300年先までタイムトラベルが実現可能になった世界が舞台のSFミステリモノ。極端な話、「細かい事は気にしなくてもいいんだよ!」と著者から言われていると感じるぐらい、タイムパラドックスを始めとするタイムトラベルモノのお約束を無視した設定もあり。その分、登場人物たちの心情に切り込んでいた点が斬新だった印象。条件が変わる事で描かれる時間モノの内容が変わる点も堪能出来た。巻末の付録がユニーク。2021/02/23

あさうみ

35
ミステリー味あるSF。ほぼ密室での殺人事件で、タイムトラベルなんて破壊要素でしかないと思っていたのに、これがなんともいい仕掛け!キャンディボックスがここにくるのね、と首を大きく縦にふり、納得。タイムトラベラーの精神生理と女性同士の確執など現実味あり、そして上手い。2020/11/16

みなみ

25
一部の者のタイムトラベルが可能になった世界でのSFミステリー。タイムトラベルによって、死生観に影響が出たり、通貨や法制度、司法を独自に設けざるを得なくなっている社会の描き方がリアルで面白かった。ミステリーとしても、身元不明の老人が密室内で射殺された状態で見つかってから、第一発見者のオデットが謎を探っていく過程も面白い。タイムトラベラーが性格的に歪んでいくのは対処できないんだろうか…。2023/12/12

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