内容説明
はたして,「神は死んだ」のか.言葉はどこまで「経験」を語りうるか──デカルト以降の西洋哲学は,自然科学的世界観の生成と交錯しつつ,思考の可能性と限界を見さだめながら展開してゆく.前著『西洋哲学史 古代から中世へ』に続き,テクストの集積の中に「考えること」を経験させる,新鮮な哲学史入門.
目次
まえがき
凡例
第1章 自己の根底へ 無限な神の観念は、有限な〈私〉を超えている デカルト
第2章 近代形而上学 存在するすべてのものは、神のうちに存在する スアレス、マールブランシュ、スピノザ
第3章 経験論の形成 経験にこそ、いっさいの知の基礎がある ロック
第4章 モナド論の夢 すべての述語は、主語のうちにすでにふくまれている ライプニッツ
第5章 知識への反逆 存在するとは知覚されていることである バークリー
第6章 経験論の臨界 人間とはたんなる知覚の束であるにすぎない ヒューム
第7章 言語論の展開 原初、ことばは詩であり音楽であった コンディヤック、ルソー、ヘルダー
第8章 理性の深淵へ ひとはその思考を拒むことも耐えることもできない カント
第9章 自我のゆくえ 私はただ私に対して存在し、しかも私に対して必然的に存在する マイモン、フィヒテ、シェリング
第10章 同一性と差異 生命とは結合と非結合との結合である ヘーゲル
第11章 批判知の起源 かれらは、それを知らないが、それをおこなっている ヘーゲル左派、マルクス、ニーチェ
第12章 理念的な次元 事物は存在し、できごとは生起して、命題は妥当する ロッツェ、新カント学派、フレーゲ
第13章 生命論の成立 生は夢と行動のあいだにある ベルクソン
第14章 現象の地平へ 世界を還元することで獲得されるものは、世界それ自体である フッサール
第15章 語りえぬもの その書は、他のいっさいの書物を焼きつくすことだろう ハイデガー、ウィトゲンシュタイン、レヴィナス
あとがき
関連略年表
邦語文献一覧
人名索引
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