内容説明
アジア辺境の納豆の存在を突き止めた著者が、今度は、IS出没地域から南北軍事境界線まで、幻の納豆を追い求める。隠れキリシタン納豆とは。ハイビスカスやバオバブからも納豆がつくられていた!? そして、人類の食文化を揺るがす新説「サピエンス納豆」とは一体。執念と狂気の取材が結実した、これぞ、高野ワークスの集大成。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆいまある
146
納豆の研究書として遂に世界最高峰。日本人は外国人を見ると「納豆食べられる?」と嫌がらせのように聞くが、なんと西アフリカの広範囲で納豆を食べる。稲作もするのでアフリカ人も白いご飯に納豆である。納豆は大豆以外からも作られる。西アフリカに自生するパルキア、ハイビスカスの種、なんとバオバブの種も納豆として食べられている。辺境食になりやすい納豆だが、韓国では地域差なく食べられる。これは韓国の醤油や味噌が、麹菌と納豆菌両方で発酵させるので調味料とともに広がったから。高野さんも大人になりここまで熟成されるとは。2020/09/27
ジュール リブレ
111
朝ごはんの友、納豆を追って世界を駆け巡る?実はアジアにもアフリカにも納豆はあったのだ。それも大豆だけでなく、ハイビスカス納豆や、星の王子さまの描いたバオバブ納豆までも。作中に出てくる健ちゃんは動画でも見られるとのこと。ナイジェリアのTVコマーシャルもなかなか。各国とも自分の国の納豆が一番美味しいのだ。怖いもの見たさで一度食べてみたい。https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/features/report/035.html2020/09/23
さつき
86
『たくさんのふしぎ』『謎のアジア納豆』と読んできて今回はとうとうアフリカ納豆!!大豆でない原料を使っていたり、ますます謎ばかりで面白い。納豆が食べられている地域がイスラム過激派の活動域と重なっているため、取材自体も難航する中バオバブ納豆に出会えた時は感動しました。韓国のチョングッチャンも初めて聞きましたが美味しそう。ラストには世界中で集めた納豆から採取した納豆菌ワールドカップまで開催していてびっくりです。読みながら無性に納豆が食べたくなりました。2022/01/25
読特
67
イトイ新聞での著者インタビュー記事より~地元の人たちからは『いや、悲惨だけじゃないんだ』『歴史や文化を、伝えてほしい』って言われるんです。~…納豆求めて東へ西へ、弛まぬ追求と洞察。たかが納豆、されど納豆。ナイジェリア、セネガル、ブルキナファソの西アフリカと韓国。異色な取材の組み合わせも見事に調和する。距離と言語のギャップを乗り越えて通じ合える国、近いけど感覚のずれを認識して付き合わなければいけない国。世界は広いようで狭い。紛争の悲惨さや飢餓の苦しみだけでなく、日常を知ることで世界は一つになれる。2021/01/02
booklight
62
ノンフィクション作家としての練り上げられた力を感じる。納豆という超身近なテーマでも、アフリカの危険地帯(ISがうようよ)までいって、ぎりぎりの取材をやってきてしまう現場力、鍋を振るう主婦から大学教授まで、王様から幼馴染まで幅広い人種とも仲良くなれるコミュニケーション力(言語マニア)、そして納豆の起源やその範囲、納豆とは、という根源的なことまで掘り起こして最後は納豆W杯や納豆パンゲア大陸まで話が広がる発想力など、これだけの力を持っていれば、面白くないわけがない。円熟味さえ感じる筆致にずっとうなっていた。 2021/07/22
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