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内容説明
SNSでの誹謗中傷、自粛警察、不謹慎狩り、悪質クレーマー――奴らは何者か? なぜ自らが正義と思い込み、他人を際限なく過剰に攻撃するのか? 「炎上はマスメディアが生み出す」「SNSは世論を反映しない」「炎上加担者はごく少数」など、気鋭の研究者がデータ分析から意外な真実を導き出す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のっち♬
150
クレーマーやSNS炎上など誹謗中傷で世を乱す「極端な人」は実は少数で管理職に多いという。ネットのフィルタリングや報道の煽り商法は強い自尊感情と社会的不満を批判へ転化させる格好の触媒であり、現在「極端」は誰もが育みやすい性向と言える。根深いのはこれが正義中毒に由来するために実名制や法的規制が効力を発揮しない点。被害者の救われない現状を鑑みるに訴訟手順の簡略化は危急の課題だろうが、その先にも表現の自由が影を落とす。「見たくないものを見ない自由」「見たいものを見る自由」、無責任な自由はバランスも自由自体も失う。2022/11/26
HANA
68
ネットの炎上などで中心となる人間を「極端な人」と名付け、その動向を探った一冊。ごく少数が炎上の中心となっている事やマスコミがさらに火を広げる。といった炎上のシステムも解析されていて面白い。とはいえやはり中心となるのは「極端な人」の分析。ここでは社会に対し非寛容、不満を抱え自分に甘いと定義されているが、それを表に出すか出さないかの分別の問題みたいな気もする。というかこの「極端な人」って現実だとあまり近寄りたくないクレーマーや一言居士が、ネットという場を与えられて可視化されただけのような気もするなあ。2023/10/26
よっち
51
SNSでの誹謗中傷、不謹慎狩り、自粛警察、悪質クレーマー。正義を振りかざす「極端な人」はどのように生まれるのか、データ分析から考察した一冊。最近ネットでの強烈なバッシングから自殺者が出るようなことが続いていますが、炎上加担者は実際にはごく少数で、SNSの盛り上がりは世論を反映しないこと、炎上を煽っているのはマスメディアという指摘には頷けるものがありました。自分がそうならないために情報の偏りを知る、正義感に敏感になる、客観的に見る 情報から距離を取る、他者を尊重するといった部分は自分も意識していきたいです。2020/10/13
GAKU
48
SNSで炎上させている極端な人って、結局本人自身が満たされていない人達が多いんだろうな。2022/11/04
ムーミン
46
正義感がやっかいであることは良く伝わってきました。たくさんの子どもたちを世に送り出してきたことを振り返ると、自分が何を伝えてきたのか、不安になります。中立の立場で世の中、物事を見ること、情報を受け止めることがいかに難しいことであるか。この本を読んでいてもやはり偏りを感じてしまいます。絶えず感性を磨き続けたい。2022/05/30