- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
名だたる文豪たちが小説に描いた恋ははたして「あり」なのか。恋愛学を提唱する著者が科学的に分析し、考察する。相思相愛、片想い、一目惚れ、失恋、結婚、浮気、不倫といった恋愛上のテーマに関して、作品の時代性は妥当か、あるいは現代との整合性はあるのか、恋愛への知見を論理的に深めながら、これまで文学者や評論家が言及してこなかった作品の新しい魅力を浮き彫りにし、より深く名作を読み込む視点を手に入れる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
M
41
「こころ」「舞姫」「蒲団」などの文学作品を“恋愛学”の観点から読み解こうという本。しかしたとえ恋愛において人のココロは変わらないなどとしても、いかんせん100年前の文化的側面における価値観を、現代のそれで測りすぎな感が否めない。さらに著者の偏重と軽薄さのようなムードが随所に感じられてしまい、恋愛学の観点云々といえばそれらしさが匂わせられるのかもしれないが、かえって“単なる主観、あしからず”くらいのノリの方が潔いし、こちらも納得して軽く読める気がする。Kはいい男だったのになぁ、死にさえしなければ。時代か。2021/02/08
Iwata Kentaro
7
恋愛学という学問領域は面白いのだけど、過去の文学をあまりに現代目線で切りすぎだし、それ以上に著者の主観で切りすぎ。学問的意匠をまとってはいるけど学問用語を多用したエッセイで、どんな文学も主観だけで学問チックに切り取ることができる、という好例。2021/01/25
oooともろー
6
恋愛学・経済学・心理学から読み解く文学。『こころ』『舞姫』『蒲団』など。このような視点で読んだことがないので面白かった。2020/12/29
kazu4
4
面白かった‼️ 恋愛学の観点で、名作を切りまくっています。もう一度、読み直そうという気持ちになりました。2020/10/07
千冬
3
若干のタイトル詐欺があり、「文豪本人の恋」ではなく「文豪が作品内で書いた恋」を解説・分析する著書である。個人的に唸ったのは、6章「谷崎潤一郎『痴人の愛』の恋愛的不均衡(恋愛市場・結婚市場において、実は河合の方がナオミより価値が高い)」と、8章「三島由紀夫『潮騒』はなぜ恋愛描写が拙劣なのか」だろうか。2025/09/24