内容説明
作家の笹子は22年ぶりにJ保町を訪れた。この街にはかつて勤めていた出版社がある。当時のことを小説に描くための取材だった。――大学卒業後の1985年、小笹一夫は漫画編集者として出版社に入社。数年後、女性の格好をするようになり「笹子」と呼ばれるも、会社側は解雇を言い渡す。漫画を愛する芥川賞作家の誕生前夜と今を描く自伝的小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
のり
48
作家の自伝小説。時は昭和。出版社に採用された「一夫」。漫画編集者として様々な経験を重ねながら、いつの間にか周りから「笹子」と呼ばれる様に…それから数年過ち解雇される事になる。時代と言えばそれまでだが、理由は現在では考えられない事だった。退職した後の成功した笹子の話も同時に進んでいく。それにしても漫画の巨匠達・それを愛する読者の熱が凄い。漫画文化の礎を築いた先駆者に敬礼。2025/05/30
ジロリン
9
タイトルはもちろん手塚治虫「人間ども集まれ!」へのオマージュ。作者プロフィールの過去作に「おしゃべり怪談」とあり、これはくらもち師匠の出世作への…という理由で未知の作家さんだが購入。内容は「マンガ編集者の『マンガ道』+アルファ」といった所か。あまり詳しくない青年マンガ界を中心に、出版社と雑誌名以外はガンガン実名で登場するので〈名前だけは聞いた事ある人〉をググリながら読むのは大変だったがw色々と興味深いエピソードが読めて楽しかった…なーんて思ってもう一度作者プロフィールをよく見たら芥川賞受賞作家なのねw2020/10/03
BookaBoo
4
著者の自伝的小説。80年代に就職した漫画雑誌編集部での経験と、仲間に恵まれ、充実した職業生活の中で徐々に自身の本来の性別の姿に生まれ変わっていく様子、そしてクビになるまで。主人公と仕事で知り合った仲間たちが交歓する生き生きとした当時の漫画界がこのうえなく面白かった。いろいろいろいろひっくるめてその後の著者を形作った重要な時期だったのだろうな、と思う。2022/07/22
hiropon
3
450pを超える自分にとっては大作だった。普通のストーリーものではなくエッセイ的(?)な内容で情報量も多いためなかなか読み進むスピードが上がらなかった。だからこそ読み応えがあり、最初の方は個人的にはいまひとつのめりこむ事ができなかったが、途中からどんどん面白くなっていった。2025/01/24
おおっぴら
3
直木賞作家の自伝かな。読んでる途中で気づきました。名前が入れ替わり最初は混乱。ちょっと前のマンガ好きはたまらないかもです。あまり知らない私でも「おお~」ってのがありましたから。2022/01/05
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