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内容説明
ファンタジーの名手あまんきみこが描く心温まる世界が、二十年の時を越えて復刊したものを電子書籍化しました。小さな北風の子が、生まれて初めての旅にでました。出発の時、お母さんが「北風は南風のように、動物や人間に喜ばれない。でも、北風も立派な風なんだからね」と言われて旅立ったのですが、やはり皆に敬遠され、心を痛めていました。そんな時、一本のいちょうが呼んだのです。「私の葉っぱ全部落としておくれ、根元で寒さに震える子猫を温めてあげたいから、手伝って」と。いちょうを気遣う北風の子と、子猫を気遣ういちょうの木。そこには自分を超えた大きな愛が、存在していました。このお話の中で始めての旅をする北風は、人生の荒波に飛び出したこどもそのものです。そしていちょうの木はといえば、こどもが活躍できる場を見出し、大きな愛のお手本を見せてあげられる大人です。心を描いた作品として長年小学校の道徳の副読本としても、愛された作品です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
masa@レビューお休み中
86
北風の子は、とってもかわいいのですが、みんなから嫌われています。だから、北風の子が通ると人間は窓や扉を閉め、動物たちは慌ててすみかに戻るのです。風の子はお母さんから言われていたので、そのことをよくわかっていました。でも、みんなが自分のことを避けるのを見て落ちこむのです。ひとり寂しくたそがれていると、どこからか北風の子を呼ぶ声が聞こえるではないですか。その声をたどっていくと…。北風の子の境遇を見ていると切ない気持ちにさせられます。でも、悲しいだけでは終わらず、最後には北風の子の笑顔を見ることができるのです。2014/03/29
anne@灯れ松明の火
24
読友さんご紹介。遠い方で。みんなに嫌われる北風。でも、お母さんは言う「きたかぜも りっぱな かぜだからね。そのことを わすれては いけないよ」心優しい いちょうの木と出会い、かぜのこは力を発揮! 素晴らしいラスト。あまんさんは やっぱりいいなぁ。冬の寒い日、ついつい北風を恨めしく思うけれど、このお話を読めば、温かくなる。荒井良二さんの絵も素敵。2017/12/11
じゃすぽ
23
タイトルのセンスがいい。この本は、大人になっても忘れたくない気持ちを思い出させてくれる。嫌いでも苦手でも、良い一面を見出したり本質を見極めて判断できる人でいたい。尊い気持ちは、大人だからこそ身につけていなければ。荒井さんの絵はいつ見ても魅力的だ。色使いがぶっ飛んでて最高。2017/12/23
鴨ミール
22
終わり方が、唐突だったけど、タイトルに結びつけるためかな。温かいお話だった。2019/11/10
喪中の雨巫女。
15
《図書館-季節》北風と銀杏の木のやさしさに、ウルっときました。 金の小鳥の羽ばたく姿は、見てみたい。2017/12/05