内容説明
箒にまたがり飛翔する魔女、笛吹き男に連れられ姿を消したハーメルンの子供たち、暗殺された二人の米大統領の驚愕すべき共通点、悪魔に憑かれたルーダンの修道女、冷戦下のソ連で学生達を襲った凄惨な未解決事件、蛙の雨、ドッペルゲンガー、犬の自殺橋etc.
稀代の語り手中野京子が贈る、21の「怖い話」。
目次
ハーメルンの笛吹き男/マンドラゴラ/ジェヴォーダンの獣/幽霊城/さまよえるオランダ人/ドッペルゲンガー/ゴーレム/ブロッケン山の魔女集会/蛙の雨/ドラキュラ/犬の自殺/ホワイトハウスの幽霊/エクソシスト/貴種流離譚/デンマークの白婦人/大海難事故/コティングリー事件/十字路/斬られた首/ファウスト伝説/ディアトロフ事件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みっちゃん
156
中野京子さんが語る西洋に伝わる恐ろしい伝承や事件の数々。どれもこれもすっごいそそられるつかみ。が、そのつかみで終わってしまうのね。めっちゃ面白そうな映画が始まったぞ!とわくわくしたら、それは広告編だけだった、みたいな。雑誌連載のエッセイだから仕方ないのだけれど。あと、中野京子さんの本なら絶対あるはず!と期待したカラー図解が少ないのも、ちょっとしょんぼりだったなあ…2020/11/25
trazom
112
ハーメルンの笛吹き男・ドラキュラ・エクソシストなどの中世の奇譚から、ホワイトハウスの幽霊・ディアトロフ事件などの現代物まで、21の「怖ろしい話」が取り上げられている。よく知られている話ばかりだが、中野先生の手にかかると、その奇譚をベースにして、別の抽斗へと次々と話題が拡がってゆく。オーディンからヴォータンそしてヒトラーへの展開、リンカーンとケネディの奇妙な一致、レオポルト大公と徳川吉宗の相似など、意外な連想が面白い。図版の掲載が少なく、先生お得意の絵画解説の楽しみには乏しいが、雑談の語り物としては上々。2021/01/05
きみたけ
98
著者は作家、ドイツ文学者の中野京子氏。この本は「婦人公論」2018年8月から2020年2月に連載したエッセイをまとめたもの。先日「異形のものたち」を読んで、一風変わった西洋絵画について興味が湧きました。吸血鬼、ゴーレム、エクソシスト、ハーメルンの笛吹きなど、紀元前から大航海時代、ルネサンス期のヨーロッパまであらゆる時代の奇譚を網羅しています。個人的には「ブロッケン山の魔女集会」が面白かったかな。表紙に裸婦の魔女がどんと載っているので、電車の中で読むのに勇気が要ります。奇譚好きな方にオススメの一冊です。2022/05/14
たいぱぱ
95
『中野京子の』って『ビートたけしの』とか『人志松本の』みたいになってるけど誰です?巻末の紹介欄で『怖い絵』の人と知る(笑)。子供の頃から不思議話や怪奇譚が大好きで、彷徨える幽霊船やドッペルゲンガー、ブロッケン山、ジェヴォーダンの獣やコティングリーの妖精写真とかに心踊らせれてました。民俗学のコーナーにあったんでそんな話の学術的なものかなと期待しましたが、昔のものとそう変わりない内容でした。でもやっぱりワクワクするんですよ。好きなんだな〜今でも。「ハーメルンの笛吹き男」。よく読むとこれ、めっちゃ怖い話ですよ。2021/04/15
keroppi
81
絵に関しての本かと思ったら、西洋の怪奇譚について語る本だった。さらっとしていて少し物足りない印象。所々に絵も紹介されているが、ファレロの描くサバト(魔女の集会)は、なかなかエロス満載。中野さんの絵の本を読みたいなぁ。2020/11/02