内容説明
箒にまたがり飛翔する魔女、笛吹き男に連れられ姿を消したハーメルンの子供たち、暗殺された二人の米大統領の驚愕すべき共通点、悪魔に憑かれたルーダンの修道女、冷戦下のソ連で学生達を襲った凄惨な未解決事件、蛙の雨、ドッペルゲンガー、犬の自殺橋etc.
稀代の語り手中野京子が贈る、21の「怖い話」。
目次
ハーメルンの笛吹き男/マンドラゴラ/ジェヴォーダンの獣/幽霊城/さまよえるオランダ人/ドッペルゲンガー/ゴーレム/ブロッケン山の魔女集会/蛙の雨/ドラキュラ/犬の自殺/ホワイトハウスの幽霊/エクソシスト/貴種流離譚/デンマークの白婦人/大海難事故/コティングリー事件/十字路/斬られた首/ファウスト伝説/ディアトロフ事件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みっちゃん
157
中野京子さんが語る西洋に伝わる恐ろしい伝承や事件の数々。どれもこれもすっごいそそられるつかみ。が、そのつかみで終わってしまうのね。めっちゃ面白そうな映画が始まったぞ!とわくわくしたら、それは広告編だけだった、みたいな。雑誌連載のエッセイだから仕方ないのだけれど。あと、中野京子さんの本なら絶対あるはず!と期待したカラー図解が少ないのも、ちょっとしょんぼりだったなあ…2020/11/25
きみたけ
131
著者は作家、ドイツ文学者の中野京子氏。この本は「婦人公論」2018年8月から2020年2月に連載したエッセイをまとめたもの。先日「異形のものたち」を読んで、一風変わった西洋絵画について興味が湧きました。吸血鬼、ゴーレム、エクソシスト、ハーメルンの笛吹きなど、紀元前から大航海時代、ルネサンス期のヨーロッパまであらゆる時代の奇譚を網羅しています。個人的には「ブロッケン山の魔女集会」が面白かったかな。表紙に裸婦の魔女がどんと載っているので、電車の中で読むのに勇気が要ります。奇譚好きな方にオススメの一冊です。2022/05/14
trazom
124
ハーメルンの笛吹き男・ドラキュラ・エクソシストなどの中世の奇譚から、ホワイトハウスの幽霊・ディアトロフ事件などの現代物まで、21の「怖ろしい話」が取り上げられている。よく知られている話ばかりだが、中野先生の手にかかると、その奇譚をベースにして、別の抽斗へと次々と話題が拡がってゆく。オーディンからヴォータンそしてヒトラーへの展開、リンカーンとケネディの奇妙な一致、レオポルト大公と徳川吉宗の相似など、意外な連想が面白い。図版の掲載が少なく、先生お得意の絵画解説の楽しみには乏しいが、雑談の語り物としては上々。2021/01/05
KAZOO
123
いつも様々な絵画を中心にそのいわれなどをうまく解説してくれる中野京子さんの西洋世界での伝説や怪異現象などを短い話にして楽しませてくれます。ハーメルンの笛吹き男から始まり、私も本や映画などで知っているジェボーダンの獣の話、あるいは三銃士の鉄仮面などカラフルな写真とともに楽しめます。私が印象に残ったのは暗殺された大統領のリンカーンとケネディのつながりです。知っている方は多いのでしょうがこんな偶然があるのかと思いました。2025/05/20
たいぱぱ
96
『中野京子の』って『ビートたけしの』とか『人志松本の』みたいになってるけど誰です?巻末の紹介欄で『怖い絵』の人と知る(笑)。子供の頃から不思議話や怪奇譚が大好きで、彷徨える幽霊船やドッペルゲンガー、ブロッケン山、ジェヴォーダンの獣やコティングリーの妖精写真とかに心踊らせれてました。民俗学のコーナーにあったんでそんな話の学術的なものかなと期待しましたが、昔のものとそう変わりない内容でした。でもやっぱりワクワクするんですよ。好きなんだな〜今でも。「ハーメルンの笛吹き男」。よく読むとこれ、めっちゃ怖い話ですよ。2021/04/15