徳間文庫<br> 消えていく日に

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徳間文庫
消えていく日に

  • 著者名:加藤千恵【著】
  • 価格 ¥726(本体¥660)
  • 徳間書店(2020/09発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784198945879

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内容説明

好きで仕方のなかった人からの連絡。
結婚記念日を前に穏やかな毎日を過ごしていたのに、
昔の記憶が蘇るようで……(「返信を待たない」)。
誕生日に大好きなバンドのライブ、そのチケットは彼がプレゼントしてくれて。
あのときは、こんな誕生日がくるなんて思いもしなかった――(「ハグルマ」)。
ままならぬ切ない心情を鮮やかに掬いとる、
記念日をテーマにした全九篇。

〈目次〉
夏の飛びこみ
安全じゃない場所
エアポケット
赤いプレゼント
返信を待たない
消えていくものたち
   ハグルマ
二十七歳
新しい干支
解説 宇垣美里(フリーアナウンサー)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

62
短編集。読んだことがあるかもしれないと思いながら購入したところやはり読んだことがあるものでしたが、もう一度読みました。加藤さんの書く小説は良い意味で印象に残らないので、インパクトのあるモチーフやキャラがいないとなかなか頭に残りにくい読んだそばから消えていく小説。過去の経験は時と共に風化して、現在の自分にとって糧となり重荷となり、思い出は様々で、私も自分に置き換えると各主人公に共感することが多いし、実際は苦い思い出だったものも美化されて良い思い出になって、たまにこっそり思い出すことってあるなぁと思いました。2021/04/11

ピロ麻呂

38
せつない記念日の短篇集☆カトチエ特有の短歌&小説ミックスかな〜と思いきや今回は小説のみ。サクッと読めるから一口チョコ感覚。甘さ控えめ、少しビターなラブストーリー集でした。2020/09/07

Nissy

29
恋人に見捨てられたり、上手く事が運ばなかったり、悲しい内容の短編が続きます。しかし、絶望から垣間見える主人公たちのささやかな未来に思いをはせて、ひとつひとつの短編の余韻を味わうことができました。お恥ずかしながら、加藤千恵さんが有名な歌人とは知りませんでした。2020/10/07

のんちゃん

27
記念日を題材にした、女性達の別れからの前進を描いた短編集。別れと言ってもそれは単に恋人や配偶者だけではなく、これまでの自分の生活や元恋人に残した想い、女友達や踏み止まっていた世界等、様々な場面が展開される。著者は歌人でもある。それゆえ、短い作品の中で、その言葉は厳選されたものであり、対費用効果が良く、読み手にダイレクトに感情が伝わる。切ない感情を嫌というほど読まされるが、読後感は、やはり、たくみな言葉のチョイスで光が差す思いに満ちる。2020/12/13

coco夏ko10角

18
記念日がテーマ、9つの作品収録の短編集。切ない。『夏の飛びこみ』と『返信を待たない』が特によかった。2021/07/30

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