内容説明
【内容紹介】
人生を、友情を、四季を漢詩で詠む幸せ。
李白、杜甫、白楽天など唐の詩人を中心に、人生、別れ、自適、友情、自然、四季のテーマ別にわけて日本人になじみの深い名詩の数々を解説する。
【著者紹介】
著述業(中国文学者)。
昭和7年、宮城県生まれ。
東京都立大学中国文学科修士課程修了。
著訳書に『中国古典の名言・名句三百選』『「貞観政要」のリーダー学』『完本 中国古典の人間学』『「老子」の人間学』『全訳「武経七書」』(全三巻)(いずれもプレジデント社)など多数。
目次
【目次抜粋】
まえがき
第一章 人生を詠む
烈士暮年、壮心已まず(曹操)
帝力、我に於いて何かあらんや(『十八史略』) ほか
二章 別れを詠む
一顧すれば人の城を傾け
再顧すれば人の国を傾く(李延年) ほか
三章 自適を詠む
蝸牛角上 何事をか争う
石火光中 此の身を寄す(白楽天) ほか
四章 友情を詠む
人生意気に感ず
功名 誰か復た論ぜん(魏徴)
君に勧む更に尽くせ一杯の酒(王維) ほか
五章 自然を詠む
不尽の長江
滾滾として来たる(杜甫) ほか
六章 四季を詠む
春宵一刻値千金(蘇軾)
水を渡り 復た水を渡り
花を看 環た花を看る(高啓) ほか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kawai Hideki
87
論語の中で孔子が「詩を読め」としきりに勧めているので、漢詩を読もうと思い、入門書を何冊か手にとってみた。本書の最初に紹介されていた三国志の雄•曹操の「歩出夏門行」と題する詩が気に入ったので、勢いで全部読んだ。雑誌「企業年金」の連載が元らしく、老いや別れの詩が多かったのが少し身につまされた。一方、第二の人生を自適に送る詩や四季•自然を伸びやかに詠んだ詩は味わいも深く、純粋に楽しめた。遠景と近景、鮮やかな色の対比、賑やかさと寂しさ、天と地、自然と人間、永遠と瞬間など、はっとするような対句が魅力の詩が多かった。2015/01/20
なつき
0
『漢詩の人間学 詠み継がれる先達のこころ』読了。ビジネス雑誌に連載してた、のかな。それがすごく納得の文章たちだった。漢詩を題材にして、ビジネスをする者としてどうするか、と語っていくような感じ。人間観が、人生観が出るよなあ。読みかたしだいで心がまえが変わるのもまた漢詩のおもしろさ。2018/12/21