内容説明
先進経済への1200年の軌跡。奈良時代~近代初頭にいたる列島経済の展開を一望、最貧国水準を抜け出し、1人あたりGDPが着実な上昇に転じていく過程を、災害・飢饉・環境・都市化なども視野に解明。はじめて日本の超長期GDP推計を実現し、日本史の新たな扉を開く。
目次
超長期GDPとは何か
第1部 農業生産量の推計(古代の農業生産量の推計;中世の農業生産量の推計;徳川時代・明治期初頭の農業生産量の推計)
第2部 前近代社会における人口成長(全国人口の推移;都市人口の推計)
第3部 非農業生産そしてGDPの推計と国際比較(徳川時代における非農業生産の推計;前近代日本の超長期GDPの推計と国際比較)
超長期GDPからみた前近代日本の経済成長
著者等紹介
高島正憲[タカシママサノリ]
1974年生。2006年大阪大学大学院文学研究科後期博士課程中退。2014年一橋大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。日本銀行金融研究所アーキビスト、一橋大学経済研究所研究員などを経て、東京大学社会科学研究所・日本学術振興会特別研究員PD、博士(経済学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゲオルギオ・ハーン
29
経済学者による古代史から日本GDP成長を調べてみよう、という経済学と歴史学の両方が好きなら一度は夢見たテーマに取り組んだ一冊。冒頭でも書いているとおり第一歩的な内容なので荒削りではある。先行研究をまとめて概要を述べたような軽めの部分もある。また、本書中でも書いているが調べた文献による推計の偏りがある(研究期間がまだ短いのでどうしてもデータが片寄ってしまうようだ)。さらに十年くらいするとすごい研究になりそうなので今後にとても期待したいです。2023/02/18
bapaksejahtera
4
GDPの推移を古代に遡って推計しようという意欲的な試み。先行する西洋の研究は生存可能生産力とする400米固定ドルに人口を乗じそれに都市の非農業生産力を加える程度であった。本研究は、我が国の産業や茶業などの農村型プロト工業勃興を視点に加え以てこれを捉え直す。しかし根本的には「独仏」や中国では超長期的GDP計算が不可能(領域、人口の急変)である上、それ自体財である奴隷の算入(自由民と異なり自己増殖が困難。南北米では種牡も存在した)や北方人種の収奪目的の戦争(狩)の評価等は到底困難な事なのだ。2020/08/29
こずえ
0
発想が面白い
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