中公文庫<br> 新編 「終戦日記」を読む

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中公文庫
新編 「終戦日記」を読む

  • 著者名:野坂昭如【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 中央公論新社(2020/08発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784122069107

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内容説明

空襲、原爆投下、玉音放送・・・・・・そのとき日本人は何を思ったか。
高見順、永井荷風、山田風太郎、徳川夢声、木戸幸一らの日記に当時の心性を探る。
「終戦日記」を渉猟した旧版に、新たに「火垂るの墓」の原点「プレイボーイの子守唄」ほか、〈焼跡闇市派〉として戦争体験を綴ったエッセイ十三篇を増補した新編集版。
〈解説〉村上玄一

【目次より】
Ⅰ 「終戦日記」を読む

第一章 八月五日、広島
第二章 原爆投下とソ連参戦
第三章 空襲のさなかで
第四章 終戦前夜
第五章 八月十五日正午の記憶
第六章 遅すぎた神風
第七章 混乱の時代のはじまり
第八章 もう一つの「八月十五日」
第九章 インフレと飢えの中で

Ⅱ 「終戦」を書く、語る

清沢洌著『暗黒日記』

負けるとは思わなかった――わが十二月八日
ぼくの家族は焼き殺された
空襲は天変地異ではない
六月一日に終わっていれば
五十歩の距離
焼跡に謳歌したわが青春
プレイボーイの子守唄

焼跡闇市派の弁
再び焼跡闇市派の弁
人間の知恵と悪知恵
返り見すれば二十八年
すべてうやむやのまま七十年が過ぎた

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

がんもどき

3
図書館本。 日記を通して敗戦の前後の様子をあぶりだす。軍、官は正常性バイアスがかかって正常な判断ができていない様子が分かる。一方国民は国民で今日明日の暮らしがやっとで戦争責任や何故戦争に突っ走ったかという考えを持つ余裕がなかった。野坂さんが伝えたいことは戦後の悲惨な様子だけだろうか?「なぜ我々は戦争を起こしたか」という視点は、ない。2020/07/14

plum

1
NHK人間講座:終戦日記を読む。ほとんどは公刊された日記,冒頭の広島女子中学生は市井の若い人。銃後の大人たちは,B29美しい筐体の輝く空襲で,「おそらく死ぬ」と他人事。彼らに闘っているという実感はなかったのではないか。天災の類。終戦処理もアメリカまかせで,真の総括のないまま「一億総懺悔」ポスターが作られたとか。戦争の馬鹿馬鹿しさをきちんと後世に伝えないと,夢遊状態の日本に次の敗戦はなく,滅びるだけ。他人任せの思考停止を続ける以上,日本の未来はない。筆者の最後の言葉。火垂るの墓は,悲しい実話。2022/10/26

小僧武士

1
火垂るの墓と違って実際には妹は1歳で食事もあまり与えず、泣けば頭を殴っていたという。このような貧窮状態でも当時の日本人は国におとなしく従っていた。著者は日本人が戦争を天災だと思っていると述べる。現在の日本経済の失われた30年も同様に天災だと思っている日本人が大多数だろう。実際には戦争も経済も人災である。2020/10/21

Translater#6

0
お盆の頃になると思い出したように戦争関連のドキュメント番組が増える。もはや年中行事のよう。事の周辺をいくらか伝えても、核心はいつも語られない。翻って、日常の私たちはと言えば、KYやら、自己責任やらといった言葉が巷に溢れ出した頃からだろうか、人を悪し様に罵り、あげつらうことに年々長けて行っている。何か世の中に爆発寸前のガスが溜まっていっているように感じる。野坂さんの嘆きを読み終えたこの日、洋上に戦闘機が堕ちた。2022/01/31

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