新潮文庫<br> コンスタンティノープルの陥落

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新潮文庫
コンスタンティノープルの陥落

  • 著者名:塩野七生【著】
  • 価格 ¥605(本体¥550)
  • 新潮社(2016/11発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101181035

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内容説明

東ローマ帝国の首都として一千年余も栄えたコンスタンティノープル。独自の文化を誇ったこの都も、しかし次第に衰え、15世紀後半には、オスマン・トルコ皇帝マホメッド二世の攻撃の前に、ついにその最期を迎えようとしていた――。地中海に君臨した首都をめぐる、キリスト教世界とイスラム世界との激しい覇権闘争を、豊富な資料を駆使して描く、甘美でスリリングな歴史絵巻。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

143
再読。西暦330年から1123年間も続いたコンスタンティノープルの陥落を、何人もの同時代者の資料を駆使して再構成された壮大かつ細密な歴史物語。それは、ある意味では東洋(マホメット2世)と西洋(ヴェネツィア、ジェノヴァ、法王庁他)との対決でもあり、同時に中世騎士の世界の終りでもあった。2012/03/26

KAZOO

117
地中海三部作の一番最初にかかれたもので塩野さんの比較的初期の著作です。世界史の教科書では数行でしか書かれていないことを1冊の本に仕上げています。様々な階級の人々の目から描かれていて、その人々をさらにまた客観的な立場から書かれています。ビザンチン帝国1000年の歴史が終わるさまをトルコ側とそれを防衛する立場の両方から分析しています。初期のころのせいかあまりイラストや写真が使われていないでもっぱら文章で書かれています。2015/07/29

アキ

112
コンスタンティノープルを守るコンスタンティヌス十一世49歳は東ローマ帝国最後の皇帝となるが、その先祖コンスタンティヌス大帝こそ西暦330年この都の名付け親であった。ユスティニアヌス帝の頃最大版図を誇ったビザンチン帝国も1402年に周囲はすべてオスマン・トルコで囲まれ、1453年5月29日21歳の若きスルタン・マホメッド二世による大砲、船の丘越え、金角湾の制圧、16万の大群による包囲網での補給の断絶、地下坑道、巨大な塔、イエニチェリ軍団の精鋭で、ついに千年に及ぶキリスト教支配がイスラムに取って代わられた。→2022/10/02

ケイ

107
ジブラルタルを手放さないイギリス。海峡がないところにパナマ運河を作ったアメリカ。人類が航海をするようになってから、出入り口となる狭い海路は国の力と富を左右する。力を持ってきたオスマントルコがボスポラス海峡の一角を占めるビザンチンを攻めるのは時間の問題だったのだ。それがわかっていても、ろくに援助もしなかった西欧諸国。なぜコンスタンチノープルの人々は早くに逃げ出さなかったのか。それでも、そのオスマンの最期を徹底的に苦しめたのは、自らを第三のローマと呼び、正教会の流れを汲むロシアだったのだと感慨に耽る。2014/12/29

fukumasagami

93
一都市の陥落が一国家の滅亡につながる例は、歴史上、さほど珍しいことではない。だが、一都市の陥落が、長い歳月にわたって周辺の世界に影響を与えつづけてきた一文明の終焉につながる例となると、人類の長い歴史のうえでも、幾例を数えることができるであろうか。そして、それがしかも、年がはっきりしているだけでなく、何月何日と、いや時刻さえもはっきり示すことができるとしたら…。コンスタンティノーブルは、滅亡の日が明らかなだけでなく、誕生の日もはっきりしていることでも、珍しい都なのであった。2014/09/25

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