講談社学術文庫<br> レヴィ=ストロース 構造

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講談社学術文庫
レヴィ=ストロース 構造

  • 著者名:渡辺公三【著】
  • 価格 ¥1,320(本体¥1,200)
  • 講談社(2020/09発売)
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  • ISBN:9784065209202

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内容説明

本書は、現代最高峰の人類学者クロード・レヴィ=ストロース(1908-2009年)の全貌を描いた決定版の誉れ高い1冊です。
ベルギーに生まれたレヴィ=ストロースは、フロイトやマルクスに触れた青年期を経て、南仏で高校教師になりました。その中で育まれた情熱を抑えられなくなった1935年にブラジルへ旅立ち、カデュヴェオ族やボロロ族、そしてナンビクワラ族の調査に乗り出します。その後、第二次世界大戦の勃発を受けて従軍しますが、1941年にはユダヤ人への迫害を回避するべくアメリカに亡命したレヴィ=ストロースに、ニューヨークで決定的な出来事が訪れました。それが言語学者ロマーン・ヤコブソン(1896-1982年)との出会いです。
のちに『音と意味についての六章』として公刊されるヤコブソンの講義の内容は、レヴィ=ストロースの中で若い頃からあたためられていた「構造」の概念と交錯しました。そうしてヤコブソンの勧めを受けて書き始めたのが、構造主義の誕生を告げる『親族の基本構造』であり、4年をかけて完成されたこの大著は1949年に刊行されることになります。
ここから旺盛な執筆活動を開始し、『人種と歴史』(1952年)、『悲しき熱帯』(1955年)、『構造人類学』(1958年)を生み出したあと、1959年にはコレージュ・ド・フランス教授に就任したレヴィ=ストロースは、一世を風靡した『野生の思考』(1962年)を発表すると、ついに全4巻に及ぶライフワーク『神話論理』(1964-71年)に着手しました。
その後も100歳で逝去するまで活躍し続けた偉大な人類学者が残した数々の仕事を、その生涯や時代との関係を描きつつ明快に解説してみせた本書は、1996年の刊行以来、概説書のスタンダードとして四半世紀にわたって読み継がれてきました。このたび、最新の書誌情報を追加するとともに、生前の著者と深い交流のあった小泉義之氏の書き下ろし原稿を併載した文庫版としてお送りいたします。

[本書の内容]
序 章 構造主義のエシックス
第一章 歴史の影のなかで
第二章 声とインセスト
第三章 旅の終わり
第四章 神話と詩のあいだに
第五章 幻想から思考へ
第六章 新石器のビルドゥングスロマン 1――南半球の森から
第七章 新石器のビルドゥングスロマン 2――北半球への旅
終 章 「構造」の軌跡

主要著作ダイジェスト
キーワード解説
読書案内
レヴィ=ストロース略年譜

解 説 小泉義之

目次

まえがき
序 章 構造主義のエシックス
1 解剖台の上のミシンと洋傘の偶然の出会い
2 自分という空虚な場所
3 地獄とはわれわれ自身のことだ……
4 「自由についての考察」
第一章 歴史の影のなかで
1 いとこ同士
2 ブラジルヘ――森と大都会
3 悲しき熱帯
第二章 声とインセスト
1 ニューヨークの出会い
2 人はみな親族として生まれる
3 親族の基本構造
第三章 旅の終わり
1 歴史の試錬
2 歴史の遠近法
3 歴史の余白と意識されぬものの領域
第四章 神話と詩のあいだに
1 神話論への助走
2 神話論のスケッチ
3 「猫たち」のまなざし
第五章 幻想から思考へ
1 トーテミズムの幻想
2 野生の思考へ
3 思考のなかの社会
第六章 新石器のビルドゥングスロマン 1――南半球の森から
1 鳥刺しの後を追って
2 変換と解読
3 料理と天体
第七章 新石器のビルドゥングスロマン 2――北半球への旅
1 カヌーの旅、徒歩の旅
2 北西海岸の鳥剌したち
3 「唯一の神話」
終 章 「構造」の軌跡
主要著作ダイジェスト
キーワード解説
読書案内
あとがき
レヴィ=ストロース略年譜
解 説 小泉義之

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

49
シリーズの意図通り良い本でした。構造主義というとメカニズムの話かと思いきや、レヴィ=ストロースの仕事には様々な文脈があることが分かります。メルロ=ポンティ、ボーヴォワールと同い年で彼らと共にキャリアを重ねますが、レヴィ=ストロースだけは出世が遅く、彼の道草の多い人生がゆっくりで40代になってようやくモノになったことが素描されます。しかし、遅れてきたレヴィ=ストロースの仕事は、彼らが先行して時代をつくった実存主義の批判となっていることが分かります。実存主義が人間の内側に入る同一性の思想だとしたら、構造主義は2022/02/18

TM

2
「レヴィ・ストロース」や「構造主義」について,本格的に学びたい人が,その全体地図のようなものをとりあえず得るために読むべき本。人類学について専門に勉強したことがないので,個人的には非常に難解であり,全体の5%程度しか理解できていないと思うが,どの個所も非常に濃密な内容であることは分かる。構造主義だけを知りたいのであれば橋爪大三郎「はじめての構造主義」や内田樹「寝ながら学べる構造主義」の方が手っ取り早いと思うが,より濃密な世界への一歩を踏み出したいのであれば,本書はその知的好奇心に十分に応えてくれると思う。2021/01/27

竹鶴六

1
レヴィ・ストロースの生涯とその思考の変遷を丁寧に重ね合わせた一冊。どちらかといえば一つ一つの思考を追うよりも、全体の流れを把握することができる。ただ、途中の難解さは拭えない。ここまで読んで、レヴィ・ストロースの著作にチャレンジ!2023/05/04

kungyangyi

1
一倍速で聞き終わった。文字で読んでいたら挫折していただろう。分かっても分からなくても先に進んでいくところに,読み上げの利点がある。/レヴィ=ストロースに関する労作。こうやって解説してもらえると、ありがたい。2021/08/05

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