内容説明
「社会」という言葉は、様々な形で使われていて、普段は存在を意識しないが、その実態はとてもあいまいだ。では、どのようにすれば「社会」を理解できるのか? 複雑化、副作用、絡み合う因果関係など、その特徴をつかむ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はっせー
153
コロナ禍の中社会学者の著者が書いた分かりにくい現代社会を知りどう対処すべきかをまとめた本である。正直とてもインパクトがある作品である!まずなんと言ってもいまの社会は俯瞰してみることが出来ず、様々なものが「緩く」関わり続けている。そんな分かりにくい社会において変化する社会の理解の仕方や不安定な世界との付き合い方をまとめている。安定と変化を両立しつつ不安を適度に忘れることが重要である。いまの世の中に大事な言葉ではないかと感じた!この本は新書だがとても読みやすくまだ新書をよんだことない人にもおすすめ出来る!2021/02/20
ひこうき雲
84
いわゆる社会学の入門書であり生き方について書かれた本。なかなか興味深いことが書かれていました。─現代社会は専門システムで分業されていて、緩く繋がっている。分業制はどんどん拡大されていて、全体を俯瞰してみることはかなり難しくなってきた。社会は微妙なバランスの上に成り立っており、一つを動かしても、思いがけない変化が生じることが多い。 そんな不安定社会との付き合い方─ミスは複合的要因で生じるから、ミスした人を安易に責めないこと。安定(惰性)と変化(反省)のバランスが大事。2021/05/23
りょうみや
32
ティーン向けだが大人でもおもしろい。高校生には難しめ。社会学入門でもあるけどその前に「社会」とはどういう存在でどう捉えたらよいのかということがわかる。そして社会学が学んだ個人にとってどう役に立つのかもわかる。社会は複雑過ぎて一面しか見れないし、他の科学と違い厳密に数値化できないことがほとんど。だから社会理論は記述もよるものが中心になる。複雑性、捉えどころのなさ、厳密性のなさなどは「緩さ」と表現されている。2021/10/13
ちゅんさん
30
社会について易しく書かれているがとても難しい本だった。良書だと思う。これがちくまプリマーですか…、難し過ぎないですか2024/02/19
venturingbeyond
29
筒井先生の著書にはいつも呻らされるが、これもまた一連の著作と肩を並べる良書。社会学のみならず、社会科学全般の抱える困難さと可能性の双方が、初学者であっても見通せるパースペクティヴに位置付けられ、懇切丁寧に示されているとともに、複雑で見通しが利かない近代以降の社会の中で、近代のもたらした正負双方の帰結と向き合いながら生きていく基本的な構えも提示されている。プリマー新書が想定する中高生(特に、社会科学へ関心をもつ者、社会科学分野への進学を志す者)に対して、大学に進む前に薦めたい一冊。2020/09/28
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