ちくま新書<br> リベラルの敵はリベラルにあり

個数:1
紙書籍版価格
¥1,210
  • 電子書籍
  • Reader

ちくま新書
リベラルの敵はリベラルにあり

  • 著者名:倉持麟太郎【著】
  • 価格 ¥1,045(本体¥950)
  • 筑摩書房(2020/09発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480073358

ファイル: /

内容説明

細分化されたアイデンティティ集団の近視眼的政治利用がリベラルの包容力を自壊させ、あまりに理想的に設定されたリベラルな価値からこぼれ落ちる生身の人々の憤りがポピュリズムを肥大化させる。グローバリズムとアルゴリズムの波は、個人の自律のみならず国家の自律をも脅かす。AI時代において国家と個人の自律を貫く具体策とは? ナショナル・アイデンティティによる包摂、そして「人の支配」から「法の支配」への脱却を斬新に提言する、気鋭の法律家によるリベラル再生に向けた挑戦状。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Y2K☮

34
日本の政治家は保守もリベラルも主体性がない。極端な思想を抱く支持者の組織票で選挙に勝つことが最優先(特に野党)。だから口先だけの改憲論や欺瞞だらけの護憲論をいつまでも言い続ける。売り上げのためにワガママなセレブ客を出禁にしない百貨店と一緒。コロナ禍でも政治家の大半は多数者の感情的な声に流され、少数の科学的に正しい見解を無視した。選挙のために。考えの異なる相手と対話して国をより良い方向へ変える気などない。ならば「ゴー宣道場」がやったように民間で法案を作るしかない。法の力で権力と戦う。憲法裁判所の設置も急務。2021/06/12

takeapple

11
「人新世の資本論」が環境や経済についての今後の道標ならば、この本は政治や民主主義についての道標だと思う。自分の振る舞いについての反省にもなるが、「次はもう少しだけうまく失敗しよう」と思える。先の衆院選でもそうだったけれど、今のままの政治状況では本当に先がない。子どもたちに明るい未来を引き継ぐためにもカウンターデモクラシー、やるしかないね。2022/01/10

ナン

9
感想として3点。①アイデンティティの政治、AIやネットと政治の関係等、最近の政治トレンドについて学べた点。特に、理性的対話を難しくするアイデンティティの政治は、お手軽な方法だが克服が必要との認識は納得。②日本国憲法が「憲法典さえ守られればよい」「実際の運用は解釈変更で」と扱われてきた結果、「どうでもよい」存在になったという点。改正論議が盛り上がらない原因を喝破。③カウンターデモクラシーの実践例が紹介されているが、「あなた個人が社会に与えられる影響を考え行動してみよう」との結語が宿題として残された印象。2020/09/21

羊山羊

8
「i-ドキュメント」という映画を思い出した。余りにも露悪に書かれる菅官房長官。一方で主役たる望月氏の露骨なまでの正義面。酒の力を借りて尚辛くて、半分も観ることができなかった。あの作品に流れる未熟な批判精神は、本著でリベラルの敵として厳しく糾弾しているものだったと思う。リベラル自身が意識を高くしすぎた故に巻き起こる敵対分断そのものがリベラリズムを崩壊させたんじゃないかと指摘、更にグローバリズムと資本主義の進行が政治を侵す内に民主主義さえも解体されつつあるという。2021/02/08

Hiroo Shimoda

7
語られる「リベラル」への課題意識は首肯できるもの。本邦の野党を見て、理想論では?ワンイシューでは?対話は?と感じている人が読むと思考を整理出来るだろう。2021/05/02

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/16430557
  • ご注意事項