イースト新書<br> ルポ 不機嫌な老人たち

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イースト新書
ルポ 不機嫌な老人たち

  • ISBN:9784781651262

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内容説明

イラつく高齢者
その実態と胸の内

老後は誰にでも必ずやって来る。
プライド、無力感、孤独、機能低下……
これは、未来のあなたの話でもある。


思い描いていた「老後」とは違う現実

定年後は、年金でのんびりとした老後を、というのはもはや過去のこと。長すぎる老後、敬老意識の希薄化、早すぎる技術革新、コミュニティー・家庭の崩壊、経済的不安定……、かつて経験したことのないような急激な社会変化の中で戸惑い、傷つき、苛立つ老人たち。当たり前としてきた価値観がことごとく否定され、「暴走老人」、「困った高齢者」、「わがまま老人」といった言葉で揶揄され、社会問題としてセンセーショナルに取り上げられる、彼らの本当の胸の内とは。その被害と実情を、被害者、専門家、高齢者への丹念な取材から読み解く。


【目次】
はじめに
第一章 従業員を悩ますシルバークレーマーたち ――なぜ、高齢者の客はイラついているのか――
第二章 ネットに呑み込まれる人々 ――デジタルシニアの落とし穴――
第三章 場違いの現役感をまき散らす元管理職たち ――なぜ、普通のお年寄りになれないのか――
第四章 寂しいお年寄りたち ――口をつぐむ男性、しゃべり続ける女性――
第五章 老成しない老人たち ――“元気”と“機能低下”の狭間で――
終章 長い老後を機嫌よく生きるには
おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

526
【KU】ザッと目を通したところ、その不機嫌さの原因は①喪失感②寂しさ③生来の性格に拍車、こんなところだろうか。精神科医の「80歳以上にはカウンセリングなんて効果ない」には愕然とした。不機嫌さも男女によってそのアウトプットが違うのも興味深い。元気で暇、がなにより良くないそうだ。やはり長く仕事を続けるというのは大事だし、なるべく足腰を使った趣味も持っていきたいな、と自戒。2024/10/09

mint☆

109
以前病院で働いていた時、高齢の方は理不尽に怒る人が多いなと感じていた。読んでみると"確かにいたなこういう人"と正直ウンザリしてしまう。暇で元気だと不機嫌になるようだ。前頭葉も衰えて感情の抑制もできない。今の社会は決してお年寄りに優しいとはいえない。ただ本人も歳を取ったことを自覚しないと辛い老後になってしまう。年功序列男尊女卑の時代を過ごしてきた世代も徐々に減ってくるのでこれからはそういう人たちも減ってくるのかな。これから老後を迎える自分たちの世代はどういう問題が出てくるのだろうか。2020/11/28

つちのこ

48
“元気で暇だと不機嫌になる”とは、まさに言い得て妙。テレビに向かって文句を言ったりする自分に、苦笑することがある。生前、誰かまわずことあるごとにキレていた父だったが、それを反面教師にして、そんなふうにはならぬと思っていても、気づいたらテレビに悪態をついている。まったく血は争えない。定年を機にタテ社会から解放され、ヨコ並びになったというのに、駄々っ子のようにキレて頭を切り替えられない困った人や賢くない人は、周りを数えてみても片手くらいはいる。客観的に、冷静に、自らを観察することの責任をひしひしと感じた。2024/07/08

たまきら

44
読み友さんの感想を読んで。著者の実体験を読みながら同情したり共感したり。特にそうだなあ…と思ったのが元々高齢者は周囲に自分のルールを押し付けようとする存在だったよね、というところ。落語の小言幸兵衛がいい例です。昔なら近所の人たちが「うるせえ隠居だねえ」と陰口を言うだけで済んでいたのに、今やちょっと失敗すると世界規模で拡散されてしまうご時世。適応するのが大変なのも事実です。…この問題、研究してくれている心理学者いないのかなあ…。2024/09/15

秋 眉雄

20
イラつく高齢者の問題って、実際は認知症が少なからず関わっていると、老人施設で働く身としては感じています。まぁ、それを抜きにしたって世の中を悪くしているのは世界中どこを見たってジジィどもだというのは間違いないですけどね。2024/11/12

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