アフリカ出身 サコ学長、日本を語る

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アフリカ出身 サコ学長、日本を語る

  • ISBN:9784023318809

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内容説明

マリ共和国出身の京都精華大学長、ウスビ・サコ氏の自伝。幼少期、中国留学、日本人との結婚、子育て、学長就任。波乱に満ち「なんでやねん」の連続だった日々をコミカルに回顧しつつ、日本社会や教育の問題点を独自の視点で鋭く批判する。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

95
京都精華大学のサコ学長はマリ共和国の出身。前半は、マリで育ち、中国への留学を経て日本にやってきた半生が語られる。日本国籍を取った今も、マリ人としてのアイデンティティを失わない国際人としての信念を知る。後半は教育論。特に日本の教育に対する指摘は厳しい。学校に期待しすぎ、自由と平等を履き違え、能力を生かさず、すぐ諦める日本に対し、何度も何度も「なんでやねん!」という問いかけが繰り返される。でも、「学生は、お客さんでも商品でもない。私にとって学生たちは、家族なんだ。」と語るサコ学長の眼差しは、とても温かい。2020/10/07

きみたけ

87
日本の教育について改めて考えさせてくれるとても良い本でした。著者はマリ共和国出身で京都精華大学学長のウスビ・サコ先生。先生の生い立ちや家族構成、紆余曲折を経て大学で教鞭をとる日々、一緒に大学を作りたいとの思いで学長になったこと、「ここがヘンだよ、日本の学び」、コロナ時代を生きるための提言など。特に外国人の視点から感じる「日本の教育の違和感」については異論の余地もなく、大学が「生産できる人間とその予備軍を作るための機関」となり、「社会で使えるかどうか」という基準が親にも浸透している状況に警鐘をならします。2022/12/12

pohcho

59
アフリカのマリ出身でフランス語圏の教育を受け、中国留学後に日本にやってきて現在は京都精華大学の学長。そんな著者の半生と日本の社会や教育に対する思いを綴った本。「日本の教育は今の社会システムや社会構造を維持したいという中高年の思いに若者が巻き込まれている状態」などの言葉に幾度もハッとした。「教育は個人を幸せにするためにある」なんて考えたこともなかったかも。本質的なことをわかりやすい言葉で表現されていて、非常に興味深く読んだ。内田樹先生の解説も素晴らしい。教育関係のお仕事の方、若い方に是非読んでいただきたい。2020/12/30

おさむ

45
アフリカ・マリ出身の京都精華大学長、サコさんの自叙伝&日本論。日本社会のおかしさ(学校への過度な期待、普遍的な人間でないとダメと考える欺瞞、すぐに諦める国民性、物事を深く掘り下げないメディア‥‥)に「何でやねん!」と異議申し立てする。その主張と理屈は真っ当で、私たちが自分の頭で考えられなくなっている事に気付きます。とりわけ教育論が秀逸。マリでは「学校教育を受けて成長することが、必ずしも人間の最適な人生ではない」という価値観があるそうです。日本も昔はそうだったのに、どこかで失われてしまったのですね。2020/08/04

kawa

35
京都精華大学長に選ばれたアフリカ・マリ出身のサコ氏の生い立ちから現在までを振り返りながらの教育論が刺激的。曰く、「(学生が)今の大人と同じような道を歩めば、・・・今より悪くなっていくことは明らかだ」「フレーム化された教育を受けさせ、大学に入れてそのまま社会に出す日本のやり方は、実は国際社会の視点で比較するとそれほど大したことではない」「弱い人間というのは、・・・人間対人間の関係性を作れない人」等々。キー・ポイントとなる位置にグローバルな人材を積極登用していく重要性の証明が本書にあるように思う。(コメへ)2021/09/13

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